パドロン (トウガラシ)

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生のパドロン
揚げたパドロン

パドロンまたはピメントス・デ・ パドロン西: Pimentos de Padron、「パドロンのトウガラシ」の意)は、トウガラシの甘味種の品種の一つである[1]スペインガリシア州ア・コルーニャ県パドロンに由来[2]し、同地のほか日本などでも栽培されている[1]

特徴[編集]

長さは約5 cmと小型で、色は明るい緑色から黄緑色、赤色になることもある。ほとんどは刺激の少ない味であるが、10–25%のものは非常に辛い。刺激が少なくなるか辛くなるかは、成長中の水分及び日光、さらに温度による。土壌のみに水をかけた場合は刺激の少ない味になり、を含む植物全体に水をかけた場合は辛くなると言われている[3]。油で揚げ、タパスとして食べる[4]

ウーリャ川英語版及びその支流サル川の土手に沿って生育し、特に名前の由来となったパドロンの町の温室に多い。スペイン南部、アメリカ合衆国メキシコモロッコ等でも育つ。5月中旬以降の小さいうちに収穫され、5月末から10月末まで、時に11月に入っても販売することがあった。しかし、温室での栽培が行われるようになり、年中入手できるようになった。

形は細長い円錐形である。味はマイルドだが非常に辛いものもあり、この性質がガリシアの有名な格言"Os pementos de Padron, uns pican e outros non"(パドロン唐辛子は、いくつかは辛く、いくつかはそうではない)の元になった[5]

脚注[編集]

  1. ^ a b 【食材ノート】スペインのシシトウ「パドロン」素揚げ・串焼き、つまみに新顔『日経MJ』2020年6月1日(フード面)
  2. ^ Gourmetour: Food, Wine & Travel Quarterly Magazine. INFE. (2000). p. 89. https://books.google.com/books?id=zz8sAQAAMAAJ 
  3. ^ Galician Grocer
  4. ^ DK Publishing (15 February 2010). Back Roads Spain. DK Publishing. pp. 34. ISBN 978-0-7566-7181-5. https://books.google.com/books?id=7LkM8Q7-MtUC&pg=PA34 
  5. ^ Robert Fedorchek (21 September 2010). The Translators. iUniverse. pp. 258. ISBN 978-1-4502-4944-7. https://books.google.com/books?id=7c5GP4DqDvUC&pg=PA258 

関連項目[編集]