ナジブ・ラザク
この名前は、姓を有していません。姓にみえる部分は父称であり、家の名前としての姓ではありません。 |
ナジブ・ラザク Mohammad Najib bin Tun Haji Abdul Razak حاج محمد نجيب بن تون حاج عبدالرازق | |
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生年月日 | 1953年7月23日(67歳) |
出生地 |
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出身校 | ノッティンガム大学 |
所属政党 | 統一マレー国民組織(UMNO) |
サイン |
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内閣 |
第1次ナジブ内閣 第2次ナジブ内閣 |
在任期間 | 2009年4月3日 - 2018年5月11日 |
モハマド・ナジブ・ビン・トゥン・ハジ・アブドゥル・ラザク(1953年7月23日 - 、マレー語: Mohammad Najib bin Tun Haji Abdul Razak、ジャウィ文字:حاج محمد نجيب بن تون حاج عبدالرازق)は、マレーシアの政治家。第6代首相、統一マレー国民組織(UMNO)の元総裁。父親はマレーシア第2代首相トゥン・アブドゥル・ラザク。
主に個人名(の一部)で「ナジブ」と呼ばれる。「ラザク」は父称(の一部)であり、姓ではない。
概要[編集]
父トゥン・アブドゥル・ラザクには6人の息子がおり、ナジブはその長男である。弟のナジル・アブドゥル・ラザク(Nazir Abdul Razak)はマレーシアで2番目に大きい金融機関 Bumiputera-Commerce Holdings Bhd を経営している[1]。
初め Tengku Puteri Zainah Tengku Eskandar と結婚したが、1987年にロスマ・マンソールと再婚した。息子が3人、娘が2人いる。長男と長女はロスマの連れ子である。
初等・中等教育をクアラルンプールのSt. John's Institutionで受け、その後イングランドのウスターシャーにあるモルヴァーン・カレッジ、続いてノッティンガム大学に学び、1974年に産業組織論で学士を取得した。
2004年1月7日よりマレーシアの副首相に就任。また、統一マレー国民組織(UMNO)総裁となり、2009年4月3日に第6代首相となった。
2013年1月、ハマースが統治するガザ政府を訪問した[2]。
2014年4月には現職アメリカ合衆国大統領としては約半世紀ぶりとなるバラク・オバマの訪問を実現させ、同年12月には2人でハワイでゴルフを楽しむほどの親密関係を築いた[3]。
マレーシア航空370便の失踪で、政権は大きく動揺したが、マレーシア航空17便が撃墜された事件では、欧州諸国が積極的な行動を控える中、独立を主張する武装集団が事実上支配するウクライナのドネツク州に調査団を派遣、被害者の遺体とブラックボックスを手に入れ、オランダまで運ぶという成果をあげた[4]。
2009年にクアラルンプールを「イスラム金融のロンドン」にすべく、外資企業を誘致する国際金融地区「トゥン・ラザク・エクスチェンジ(TX)」建設に着手し(2018年竣工予定)、その最優先事業として国有投資会社「1マレーシア・デベロップメント・ブルハド(1MDB)」を設立したが、2014年時点で420億リンギ(約1兆4000億円)の巨額借金を抱えていることが発覚、ナジブ一族と華僑系大富豪ジョー・ローによる不正疑惑も噴出した[5]。2015年7月には、1MDB(財務省管轄で財務相をナジブが兼務)からナジブの銀行個人口座への約7億ドル(約850億円)の不正入金が報じられ[6][7]、8月には首相退陣を求める大規模デモに発展した[8]。ナジブは内閣改造を行なって反対勢力を締め出し、政府批判をするジャーナリストらの逮捕、不正疑惑を報じた経済紙2紙の発行禁止など独裁的な姿勢で対抗した[9]。
2018年5月9日に投開票された2018年マレーシア下院議員選挙でUMNOはマハティール・ビン・モハマド(第4代首相)を首相候補とする野党連合に敗北。建国以来史上初の政権交代とUMNOの下野を許す結果となった[10]。5月12日、UMNOの総裁を辞任した[11]。また、ナジブとその妻は出国禁止処分を受けた。5月16日、マレーシア警察はナジブの自宅など関係先に一斉捜査に入り、宝石類や外国通貨の現金、ブランド品などを押収した[12]。
2018年7月3日、マレーシア警察は1MDBに関する汚職疑惑に関連してナジブを逮捕。同月4日に起訴された。具体的な起訴内容は明らかではないが、アメリカ合衆国司法省によると1MDBの資産のうち、45億アメリカ合衆国ドルをナジブ一族が私的に高級住宅やヨットの購入、映画製作の費用に流用したとされた[13]。
2020年7月28日、「1MDB」を巡る巨額資金流用事件で、クアラルンプールの裁判所はナジブに対し権力乱用罪で禁錮12年と罰金2億1000万リンギ(約52億円)の有罪判決を言い渡した。[14]。
ナジブ・ラザク政権時代は、中国から資金援助を得て、東南アジア最長のペナン第二大橋を建設するなど積極的なインフラ投資を進めることにより国内経済は発展したが、2018年5月にマハティールが首相に返り咲いた時点で1兆リンギ(約27兆2千億円)の巨額債務が残されていた[15]。
汚職[編集]
93歳で再任したマハティール首相は、ナジブ前首相を腐敗容疑で起訴した。マレーシア司法当局は、ナジブの自宅から数百万ドルの現金と宝石を押収した。マハティール首相は過度な親中だと批判して、ナジブが結んだマレーシアに後で大きな財政負担を抱かせるのに経済的効果は少ないことを指摘した東海岸鉄道計画など多くの中国主導の公共事業は中止や見直しが計画されている[16]。
2020年7月28日、クアラルンプール高等裁判所は、不正行為事件を含むSRCマネーロンダリング事件におけるナジブの7件の申し立てはすべて立証されたと発表しました。余分な5年間は支払われていません[17]。
出典[編集]
- ^ “Najib deals with more perception pitfalls”. The Malaysia Insider. (2008年12月26日) 2009年4月4日閲覧。
- ^ “Malaysian PM in solidarity visit to Gaza”. Al Jazeera English. (2013年1月22日) 2013年5月11日閲覧。
- ^ “マレーシアが矢継ぎ早の法改正、独裁へ一気呵成 言論を弾圧、イスラム刑法導入の懸念も”. JBpress. (2015年5月1日) 2020年7月28日閲覧。
- ^ “遺体とブラックボックス回収、マレーシア首相の危険な賭けが奏功”. ウォール・ストリート・ジャーナル. (2014年7月24日) 2014年7月25日閲覧。
- ^ “マレーシア政府系投資会社の巨額不正疑惑が明るみに 23億ドルが消失? ナジブ首相と若き大富豪の不透明な関係”. JBpress. (2015年3月26日) 2020年7月28日閲覧。
- ^ “マレーシア首相に汚職疑惑、政府系ファンドから個人口座に?”. AFPBB News. (2015年7月6日) 2020年7月28日閲覧。
- ^ “マレーシア、ナジブ首相に公金横領疑惑 夫人にも疑惑浮上、国外逃亡の可能性も”. JBpress. (2015年7月13日) 2020年7月28日閲覧。
- ^ “マレーシア首都が黄色に、2日連続の首相退陣要求デモ”. AFPBB News. (2015年8月31日) 2020年7月28日閲覧。
- ^ 石井順也 (2015年8月7日). “マレーシア:スキャンダルに揺れるナジブ政権”. 住友商事グローバルリサーチ. 2020年7月28日閲覧。
- ^ “マハティール元首相勝利=史上初の政権交代へ-マレーシア総選挙”. 時事ドットコム. 時事通信社. (2018年5月10日) 2018年5月10日閲覧。
- ^ “ナジブ氏、国民戦線の総裁退任”. 日本経済新聞. (2018年5月12日) 2018年5月19日閲覧。
- ^ “ナジブ前首相宅など捜索、宝石や現金を押収”. CNN. (2018年5月19日) 2018年5月19日閲覧。
- ^ “マレーシア警察、ナジブ前首相を逮捕 1MDB汚職疑惑”. ウォール・ストリート・ジャーナル. (2018年7月3日) 2018年7月4日閲覧。
- ^ “ナジブ元首相に禁錮12年 巨額流用で有罪、政局に影響―マレーシア”. 時事ドットコム (時事通信社). (2020年7月28日) 2020年7月28日閲覧。
- ^ 守真弓、鬼原民幸 (2018年11月6日). “マレーシアの債務解消に日本が協力 中国牽制の狙いも”. 朝日新聞 2018年11月24日閲覧。
- ^ [1]93歳マヒティールによる腐敗清算から... 驚いた習近平を超特急で対応する作戦
- ^ “Najib Razak: Malaysian ex-PM gets 12-year jail term in 1MDB corruption trial” (英語). BBC News. (2020年7月28日) 2021年2月4日閲覧。
外部リンク[編集]
- 公式サイト
- ナジブ・ラザク - YouTubeチャンネル
- Mohd Najib Tun Razak (@NajibRazak) - Twitter
- Najib Razak - Facebook
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