ドラコ

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ドラコは、円谷プロダクション制作の特撮作品『ウルトラマン』をはじめとするウルトラシリーズに登場する架空の怪獣。別名は彗星怪獣。英字表記はDORAKO[1][2][3][注釈 1]

翼はトビウオの胸鰭(むなびれ)にちなむ[5]。足は靴の形状をしており、指らしきものがない。両手に鎌があり、背中には翼が生えている。再生姿を除き、頭部に1本の角が生えている。

『ウルトラマン』に登場するドラコ[編集]

初代[編集]

ウルトラマン』第25話「怪彗星ツイフォン」に登場。

彗星ツイフォンが地球の近くを通過した際、地球へ飛来した宇宙怪獣。1本の短い角と巨大な翼を持ち、体表は黒いタイルのような皮膚で覆われている。両手の鎌を武器としており、素早い動きで飛翔して敵を翻弄する戦法を得意とする。飛行速度はマッハ2[1][6]

日本アルプスの山中でギガスや途中から介入したレッドキングと三つ巴の戦いとなる。ギガスとの戦闘では互角以上に戦ったのに対し、レッドキングとの戦闘では一度目は空を飛んで攻撃を回避するが、二度目は足を捕まれて地上へ引きずり降ろされたうえ、翼をむしり取られて飛べなくなったことで弱体化する。その後は2匹によって徹底的に痛めつけられる[注釈 2]

  • スーツアクター:池田文男[7][5][13]
  • 脚本での名前は「レッドドラコ」[5][13]
  • 第25話に登場した怪獣の中では唯一、新規に着ぐるみが制作された[13][注釈 3]
  • デザインは成田亨によるもので、オニヤンマをモチーフとしている[14]。当初はバッタ型の怪獣としてデザインされたが[12]、NGとなった。羽や足首の鉤爪にその名残がある。
  • 一般に流布している初代ドラコのスチル写真は[6][5][11]着ぐるみ完成後まもなく東京美術センターでマーチャンダイジング用として撮影されたもので、番組に登場したものとは一部が異なっている。こちらは右手が鎌状で、左手が円盤形に巻き取られた鞭状になっており[6][5]鎖鎌を模している。その後、撮影前に左手も鎌状に改造された。資料によっては、腕の説明を改修前の形状で行っている[6]
  • 造形物は着ぐるみのほか、60センチメートル大の飛行用ミニチュアが制作された[5]
  • 楳図かずおの漫画版『ウルトラマン』には着ぐるみ作成時の両手で登場し、鞭状の左手を伸ばして水素爆弾を掴み取る描写がある。ウルトラマンの策略でギガスとの戦いになり、最後は冷凍光線を浴びて凍死する。
  • 帯番組『ウルトラ怪獣大百科』のナレーションでは、ドラコの一族は鎌状の右手と鞭状の左手を持つ形態であり、日本へ飛来した個体はイレギュラーな個体である旨が語られている。
  • 『ウルトラ怪獣攻げき技大図鑑』では、飛行しての体当たりが「コメット超力」と名づけられている。

再生ドラコ[編集]

ウルトラマン』第37話「小さな英雄」に登場。資料によってはドラコ(再生)とも表記される[15][16][17][18][12][注釈 4]

ジェロニモンの力で復活した個体。頭部の角が新たに4本増えて両手が5本指となり翼がなくなるなど、外見が多少変化している。闘争本能は健在で、同時に復活した再生テレスドンと小競り合いになるが、大岩山から響くジェロニモンの唸り声を聞いておとなしくなる。その後、再生テレスドンと別れて科学特捜隊と戦う。再生テレスドンが倒された後、ウルトラマンの出現を当てにして助けを求めるばかりで戦おうとしないイデを襲った際、彼の身代わりになったピグモンを叩き潰して殺害する。それを見て激昂したハヤタから一喝されて正気に戻ったイデにより、新兵器「スパーク8」の攻撃を受けて木っ端微塵にされる。

  • スーツアクター:松島映一[20][17][22]
  • 着ぐるみは第25話のドラコの改造で、頭の4本の角は『快獣ブースカ』のイモラのものが鈴木邦夫によって取りつけられた[22]。デザイナーの成田亨は、デザイン画を起こさずに口頭で指示したと「成田亨画集」に記述している[要ページ番号]
  • 脚本段階ではドラコではなくレッドキングの登場が予定されていたが[22]2代目レッドキングのスーツが再改造で傷んでおり、撮影に耐えられないとスタッフに判断されたため[要出典]、ドラコに変更された。
  • 二子玉川園にて1973年に行われた「怪獣供養」では、このスーツのドラコがイカルス星人と共に進行役を務める写真が存在している。

『レッドマン』に登場するドラコ[編集]

特撮テレビ番組『レッドマン』第8・11・63・66・73・77・78・128・132・134・135話に登場。

第8話でレッドマンと戦って敗れ、第66話ではグラナダスと組んでレッドマンに挑むが敗れ、第132話ではゼットンと組んでレッドマンと戦うがレッドキックを受けて倒される。

  • 着ぐるみは第8・11・128・132・134・135話に登場したもの、第63話から第78話に登場したものの2種類が存在する。羽と両手の鎌がなく(後者の着ぐるみは左手に鎌が付いている)、胴体は再生ドラコ、頭部は通常ドラコのような形をしている。
  • 終盤では1対1でレッドマンを大苦戦させる強さを見せる。

『ウルトラマンパワード』に登場するドラコ[編集]

特撮ビデオ作品『ウルトラマンパワード』第12話「パワード暗殺計画」(米国版サブタイトル:FALLING STARS SPELL TROUBLE)に登場する。初代と区別するため、玩具などではパワードドラコと称される。

サイコバルタン星人がパワードの実力を測るために送り込んだ怪獣で、かなりの戦闘能力を持つ。以前バルタン星人が乗ってきた物より大型の繭から現れる。目が赤目で体表はピンク色など、初代と比べて外観がかなり異なる。初代は顎が上下に開くものだったのに対し、こちらは顎が左右に開くよう変更され、本作品のバルタン星人やゼットンと同様、昆虫的なイメージに統一されている。

巨大な翼を持つが、飛行能力はない。武器は袋状の両腕から無数に取り出される鎌で、どこからか現れたレッドキングの喉を掻き切って瞬殺する。この鎌はパワードの身体を切り裂くほどの切れ味を持ち、投擲武器としても使用可能で、ストライクビートルを撃墜する。生体反射外骨格で構成された身体はあらゆる光線技を跳ね返し、メガ・スペシウム光線を跳ね返して一度はパワードを撤退に追い込む。この戦いで得たパワードの交戦データを母船のゼットンに転送する。その後、夜の市街地で再びパワードと戦い、鎌でパワードの胸を裂いて大ダメージを与えるが、ストライクビートルのスティンガーミサイルを同一箇所に連続で撃ち込む作戦で生じた傷にメガ・スペシウム光線一点集中放射版を受け、撃破される。

  • デザインは前田真宏[24]。体色などはレッドキングを擬態したというイメージ[24]。手足の形は道着がモデルとなっている[24]

『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』に登場するドラコ[編集]

特撮テレビ番組『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』第2話「レイオニクスバトル」に登場。

  • 身長:45メートル[25]
  • 体重:2万トン[25]
  • 出身地:ツイフォン彗星[25]

フック星人(RB)に操られ、惑星ハマーでエレキングと対決する。翼を生かした飛翔と両手の鎌による攻撃で戦いを優位に進めるが、レイを援護するために放たれたゴースタードラゴンのミサイル攻撃で怯んだところを反撃される。最後はエレキングとの格闘の末、初代と同様に翼を毟り取られ、放電光線を受けて倒される。

ドラコ(再生)[編集]

第10話「新たな戦いの地平で」に登場。

  • 身長:45メートル[26]
  • 体重:2万トン[26]
  • 出身地:ツイフォン彗星[26]

ドラコの再生した姿で[注釈 6]、フック星人(RB)に操られる。ゼットン星人(RB)テレスドンと対決するが、突如乱入してきたダイルが操るキングジョーブラックの空中からの攻撃により、テレスドン共々爆死する。

  • スーツアクター︰末永博志
  • 『ウルトラマン』第37話に再登場した時と同じく翼がなくなり両手の鎌が5本指になっているが、これによって格闘能力が向上している[27]

『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』に登場するドラコ[編集]

映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』に登場。

光の国に辿り着いたミライとレイを襲撃し、ベムスターサラマンドラと共にシャプレー星人(RB)に指揮されてウインダムミクラスアギラと対決する。新たな武器として口から火球を吐く。主にアギラと戦うが、その素早い攻撃に追い詰められ、空中に突き上げられたところに角攻撃を受けて爆発する。

また、百体怪獣ベリュドラの胴体を構成する怪獣の1体としても登場する。

  • 着ぐるみは『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』の頭部を改修したものを使用している[30]

『ミラーファイト2012』に登場するドラコ[編集]

ミラーファイト2012』第2話「怪獣行進曲」に登場。

ミラーマンドリゴラスと共に仲良く行進するが、最後尾を歩いていたドラコはドリゴラスの尻尾を踏み、ミラーマンが気付かないまま2匹は取っ組み合いの喧嘩を始める。ドリゴラスが棒を持って応戦しようとするとドラコは手の鎌(鍵爪)で応戦し、相打ちになる。一方、行進を続けていたミラーマンは2匹がいないことに気付き、激怒する。

『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』に登場するドラコ(SDI)[編集]

映画『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』に登場。

ウルトライブシミュレーションで健太がライブし、飛行能力を活かした奇襲攻撃で千草のライブしたテレスドン(SDI)を襲うも、テレスドンのパワーに押されていく。形勢不利と見た健太がバルタン星人(SDI)に乗り換えたため、その場から退場した。

  • テレスドンとの戦いは原典『ウルトラマン』の第37話を部分的に再現しており、その最たる例として戦いの途中から羽がなくなっている。また、原典では決着が付かなかったが、今作では勝敗が決まっている[31]

『ウルトラマンX』に登場するドラコ[編集]

第18話「ワタルの恋」に登場。

ムーの回想シーンに登場。かつて、宇宙のどこかの惑星でムーを痛めつけていたらしい。それを止めようと出現したウルトラマンエックスに戦いを挑むもパンチの一撃で吹き飛ばされ、あえなく撃退された。なお、これをきっかけにムーはエックスを慕うようになったが、地球にムーが飛来するまでエックスはそのことを忘れていたようである。

  • スーツアクター︰石川真之介
  • 着ぐるみは初代と同じく、両腕に鎌状の手と背中に透明な羽を持つ。

ライブステージに登場するドラコ[編集]

  • 『ウルトラマンフェスティバル2003ライブステージ』では、光の国に保管されている魔石・コスモクリスタルの前でウルトラマンたちが平和を守り続けることを誓う日の式典を狙い、セミ人間やワロガやゴドラ星人と共に出現する。
  • 『ウルトラマンフェスティバル2004ライブステージ』第1部「激闘!第一の使者〜ウルトラマンノア光誕〜」では、冒頭にダダを追跡していたウルトラマンAを襲う。第2部「N〜もう一つの光〜」では、ダークザギバキシムゴルザと共に召喚されるが、ウルトラマンのスペシウム光線とゾフィーのM78光線に敗れる。後半でもゴメスゴルザザムリベンジャーと共に召喚されるが、ウルトラマン、ゾフィーに加えウルトラマンネオスのマグニウム光線を受け、ゴメス共々倒される。
  • よみうりランドで開かれた「ウルトラマンメビウススペシャルショー1」では、冒頭に再生ドラコの容姿でメビウスを苦戦させるが、助けに現れたウルトラマンマックスに敗れる。
  • 「メビウススペシャルショー2」では、怪獣が欲しいというダダ少年の願いを聞き入れてバルキー星人に再生ドラコの容姿で召喚される。捕まえようとするダダ少年を振り切って暴れ回り、ウルトラマンメビウスと戦う。
  • 『ウルトラマンフェスティバル2005』では、冒頭にゴモラベムラーと共にウルトラマンマックスと戦う。
  • 『ウルトラマンフェスティバル2010』では、冒頭にグドンと共闘してウルトラマンゼロと戦う。

その他の作品に登場するドラコ[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 『ウルトラマン ベストブック』ではDRACOと記述している[4]
  2. ^ 多くの資料では「倒された」ことになっているが[8][10][11][13]、映像作品中ではレッドキングとギガスが仲間割れを始めた隙に逃げ出すように退場しており[5]、実際には死んだことを示すような描写は存在しない。
  3. ^ ギガスはヒドラの改造、レッドキングはアボラスからの再改造[13]
  4. ^ 『ウルトラマン白書』ではドラコ(2代目)[19]、『ウルトラマン ベストブック』では新ドラコ[20]と記載されている。
  5. ^ 『ウルトラマン大辞典』では「不明」と記述している[8]
  6. ^ 公式サイトでは前回と同一個体かどうかは不明としている[26]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h 白書 1982, p. 51, 「ウルトラマン 怪獣リスト」
  2. ^ 画報 上巻 2002, pp. 43、48.
  3. ^ a b c d 画報 下巻 2003, p. 69
  4. ^ ベストブック 1993, pp. 109、129.
  5. ^ a b c d e f g h i 全調査報告 2012, pp. 86-89, 「CASE FILE25 怪彗星ツイフォン」
  6. ^ a b c d e f g ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 17
  7. ^ a b c d ベストブック 1993, pp. 108-110
  8. ^ a b c d e f g h i j 大辞典 2001, pp. 232-233
  9. ^ a b c 画報 上巻 2002, p. 43
  10. ^ a b c 怪獣列伝 2008, pp. 100-101, 「怪獣界の外人レスラー 彗星怪獣ドラコ」
  11. ^ a b c d e 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 17
  12. ^ a b c d e f g h 研究読本 2014, pp. 209-237, 「ウルトラマン 怪獣・宇宙人大図鑑」
  13. ^ a b c d e 研究読本 2014, pp. 174-175, 「エピソードガイド第25話」
  14. ^ 成田亨 2014, p. 95.
  15. ^ a b c d 画報 上巻 2002, p. 48
  16. ^ a b c 怪獣列伝 2008, p. 141, 「蘇った乱闘怪獣 彗星怪獣ドラコ(再生)」
  17. ^ a b 全調査報告 2012, pp. 120-121, 「CASE FILE37 小さな英雄」
  18. ^ a b c d 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 20
  19. ^ 白書 1982, pp. 32、51.
  20. ^ a b c d e ベストブック 1993, pp. 128-129
  21. ^ a b c ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 19
  22. ^ a b c 研究読本 2014, pp. 198-199, 「エピソードガイド第37話」
  23. ^ a b c 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 219
  24. ^ a b c 「ウルトラマンパワード20周年記念特集 パワード怪獣完全図鑑」『語れ!ウルトラ怪獣【永久保存版】』 KKベストセラーズ〈ベストムックシリーズ44〉、2014年4月23日、91-101頁。ISBN 978-4-584-20544-0
  25. ^ a b c ウルトラギャラクシーNEO公式サイト, 登場怪獣 彗星怪獣ドラコ
  26. ^ a b c d ウルトラギャラクシーNEO公式サイト, 登場怪獣 彗星怪獣ドラコ(再生)
  27. ^ ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY 超全集小学館てれびくんデラックス愛蔵版〉、2009年5月2日、29頁。ISBN 978-4-09-105125-7
  28. ^ a b ウルトラ銀河伝説超全集 2009, p. 50
  29. ^ a b 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 369.
  30. ^ ウルトラ銀河伝説超全集 2009, p. 75, 造型チーム座談会.
  31. ^ 『ウルトラマンギンガ劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!(パンフレット)』 小学館てれびくん編集部」、松竹株式会社事業部、2014年3月15日
  32. ^ a b ヒーロー&怪獣 ウルトラマンX(エックス)公式サイト”. 2017年3月9日閲覧。
  33. ^ a b X超全集 2016, p. 45, 「ウルトラマンX怪獣大図鑑」
  34. ^ 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 182, 「column 怪獣墓場」.
  35. ^ ウルトラゾーン完全ガイド 2012, p. 104, 「ウルトラゾーンアイキャッチコレクション8」.
  36. ^ 「DVD & VIDEO Selection」、『宇宙船』Vol.106(2003年5月号)、朝日ソノラマ2003年5月1日、 89頁、 雑誌コード:01843-05。
  37. ^ 『円谷プロ画報』第1巻、竹書房2013年、172頁。ISBN 978-4-8124-9491-2
  38. ^ Blu-ray『劇場版 ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン Blu-ray メモリアル BOX』(バンダイビジュアル BCXS-1125)封入 SPECIAL NOTES 「STAFF INTERVIEW 脚本中野貴雄・監督田口清隆」(構成・執筆:ガイガン山崎、島崎淳)

参考文献[編集]

関連項目[編集]