ディオンコフィルム科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ディオンコフィルム科
Triphyophyllum peltatum
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: ディオンコフィルム科 Dioncophyllaceae
学名
Dioncophyllaceae Airy Shaw1951[1]
タイプ属
Dioncophyllum Baill.

ディオンコフィルム科(ディオンコフィルムか、学名 : Dioncophyllaceae)は、 被子植物の科であり、西アフリカの熱帯雨林に自生する。

最も近縁の科は、 ツクバネカズラ科(Ancistrocladaceae)である。両科とも 1998年ナデシコ目に移動された。このクレードにはモウセンゴケ科ウツボカズラ科ドロソフィルム科(これらは食虫植物である)が含まれている[2]

ディオンコフィルム科の植物は、つる植物であり、鉤あるいは巻きひげを使ってよじ登る。食虫植物トリフィオフィルム・ペルタトゥムTriphyophyllum peltatum)のほか、ハブロペタルム・ダウェイHabropetalum dawei)とディオンコフィルム・トロニイDioncophyllum thollonii)が存在する。

分類の歴史[編集]

クロンキスト体系(1981年)では、スミレ目に属していたが、2003年に発表されたAPG IIでは、ナデシコ目に属している。

形態[編集]

ディオンコフィルム科には3属3種の植物が属している。いずれも、木本性つる植物で、約40mの高さの林冠まで達し、つるの長さはおよそ70mになる。つるは普通無毛である。 は頂生または腋生する。集散花序となり、多いときは40個の花がつく。両性花で放射相称、白色の花弁を5枚つける。花弁は倒卵形で、長さ約2cmである。果実は直径10cmほどで、裂開し、1〜2個の種子がある。 は、互生、単葉で、長さ3 - 10cmの短い葉柄がある。2種類の葉があり、生える箇所によって形態は異なる。つるの基部に生える葉は、葉身が革質でふつう長さ約45cm、幅約3cmの帯状になる。その葉脈は羽状で全緑である。一方、長くよじ登るつるの箇所に生える葉は、長楕円形で先端に突起があり、2つの曲がった鉤がある[3]

脚注[編集]

  1. ^ Dioncophyllaceae
  2. ^ Cuenoud, P.; Savolainen, V.; Chatrou, L. W.; Powell, M.; Grayer, R. J.; Chase, M. W. (2002), “Molecular phylogenetics of Caryophyllales based on nuclear 18S rDNA and plastid rbcL, atpB, and matK DNA sequences”, American Journal of Botany 89 (1): 132, doi:10.3732/ajb.89.1.132 
  3. ^ Martin Cheek「ディオンコフィルム科」『朝日百科 植物の世界』 6 種子植物 双子葉類、朝日新聞社出版局、1997年9月、306頁。ISBN 978-4023800106 

外部リンク[編集]