タングロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タングロン
種類 清涼飲料水
製造元 日本酵素産業株式会社[1]
販売元 株式会社TKSタングロン[2][3]
販売開始 1969年 (55年前) (1969)[1]
販売終了 2020年3月31日 (2020-3-31)
茶色
公式サイト www.tanguron.com
テンプレートを表示

タングロンとは、昆布エキスを用いた清涼飲料水である[1]

概要[編集]

タングロンの名前の由来は「コンブ」の英語表記tangle(タングル)[注釈 1] が語源となっている。 昆布酵素エキスを主原料に、りんご果汁、オリゴ糖、各種ビタミンを配合。昆布の味はほとんどせず、茶褐色のリンゴ味の飲料[1][4]。なお製法は特許申請されている[5]

基本的に札幌市内をはじめ道央地区を中心にスーパーマーケットで発売されているが[6][7]、少量ながら本州にも流通していた[4]。また通販や物産展、ふるさと納税の返礼品[8] などでも入手可能であった。

メディアでは笑っていいとも増刊号にて紹介された事がある[9]

製造元の日本酵素産業株式会社は、製造機械・設備の老朽化を理由として2020年3月31日にタングロンの製造を終了した。また、製造終了と同時に、日本酵素産業は廃業する[10][11]

なお、販売元の株式会社TKSタングロンは廃業せず、タングロン以外の商品については販売を継続する[10]

歴史[編集]

  • 1963年 - 北海道大学水産学部教授、近江彦栄により考案された抽出法の「昆布酵素エキス」を主原料に、函館・釧路・旭川など道内6カ所で製造を始められる。
  • 1967年 - 北海道芦別市の明治鉱業上芦別鉱業所が閉山。これを契機に産炭地域振興臨時措置法(産炭地振興法)に基づく国の産炭地振興事業を活用して、同社の炭砿技師だった笠井盈(みつる)が、芦別市上芦別町に日本酵素産業を設立[1]。かねてから発売されていた「昆布酵素エキス」飲料の品質が、各製造所での出来上がり品質にばらつきがあったことから、当地芦別市に製造を集約される。
  • 1969年 - 「タングロン」の製造販売開始[1][7]。昭和50年代以降北海道全域に亘り、学校給食[12][13]・幼稚園・保育園・病院・老人福祉施設の給食でも利用され、各スーパーにも出回るようになった。発売当時はびん入り20円で売り出されており、牛乳配達のように1軒ずつ配達していた。ビンの回収と洗浄の手間から、創業から約2年後には紙パックに変わり販売している[1][7]
  • 2019年12月 - タングロンの製造中止を公式ウェブサイトにて発表。

注釈[編集]

  1. ^ "tangle"だけでは複数の意味を含むため、"tangle weed"や"sea tangle"が適切である。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g 天然酵素保健飲料「タングロン」”. 株式会社 TKSタングロン. 2019年12月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月15日閲覧。
  2. ^ 会社概要”. 株式会社 TKSタングロン. 2020年1月16日閲覧。
  3. ^ 株式会社TKSタングロンの情報”. 国税庁法人番号公表サイト. 国税庁. 2020年1月16日閲覧。
  4. ^ a b お土産 タングロン”. 星の降る里あしべつ. 一般社団法人芦別観光協会. 2019年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月18日閲覧。
  5. ^ 特許・実用新案照会”. 特許情報プラットフォーム. 2020年1月15日閲覧。 “特許0305549”
  6. ^ タングロン 販売店のご案内”. 株式会社 TKSタングロン. 2019年12月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月16日閲覧。
  7. ^ a b c 昆布とリンゴ入り! 芦別発の不思議な飲み物「タングロン」って?”. 北海道ファンマガジン. 北海道リレーション株式会社 (2013年1月28日). 2020年1月15日閲覧。
  8. ^ 健康保健飲料「タングロン」 - 北海道芦別市”. ふるさとチョイス. 株式会社トラストバンク. 2020年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月18日閲覧。
  9. ^ タングロンが笑っていいとも増刊号に出たよ”. 株式会社 TKSタングロン. 2020年1月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月15日閲覧。
  10. ^ a b 公式ウェブサイトの告知文より。"公式ウェブサイト" - ウェイバックマシン(2019年12月27日アーカイブ分)
  11. ^ “芦別発コンブ飲料「タングロン」 3月製造終了 機械老朽化で廃業”. 北海道新聞. (2020年1月22日). https://www.hokkaido-np.co.jp/article/385424 
  12. ^ 「地産地消」型食料消費構造の構築と食産業クラスター」形成に関する研究 - 北海道開発協会。同資料に「学校給食を終えてから4~5年を経た1980年から1982年生まれの学生を対象に学校給食について調査し、その結果「学校給食がきっかけで今でも好きな果物・デザート・飲み物類」に「タングロン」と回答した者がいたとの記述がある。
  13. ^ 北海道芦別市 学校給食センター 2015年3月献立表” (PDF). 北海道芦別市役所. 2016年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月15日閲覧。「牛乳ではなく芦別で作られているタングロンがつきます。」の表記が見られる。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]