セイヨウヒイラギ

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セイヨウヒイラギ
Strauch mit roten Beeren.JPG
セイヨウヒイラギ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: ニシキギ目 Celastrales
: モチノキ科 Aquifoliaceae
: モチノキ属 Ilex
: セイヨウヒイラギ I. aquifolium
学名
Ilex aquifolium L.[1]
和名
セイヨウヒイラギ
英名
European holly, English holly

セイヨウヒイラギ(西洋柊[2]、学名: Ilex aquifolium)は、園芸用に栽培されるモチノキ科モチノキ属常緑小高木 。別名でセイヨウヒイラギモチ[1]、ヒイラギモチ[1]。英語名からホーリー(Holly)とも呼ばれるが[2]、Hollyはモチノキ属の総称としても使われるので、区別するためにEuropean holly、English hollyともいう。になる赤い実が美しく、クリスマスの装飾の定番としても使われる。

分布・生育地[編集]

ヨーロッパ西部・南部、アフリカ北西部、アジア南西部の原産[要出典]。ヨーロッパ西部・南部、アフリカ北西部、アジア南西部の地域に分布する[2]

特徴[編集]

常緑広葉樹小高木[2]は長さ5 - 12センチメートル (cm) 、幅2 - 6 cmで、若いや下の枝では葉の縁が数箇所鋭く尖るが、古い枝や上の枝ではの数が少なく、葉先のみ尖るが、縁はしばしば全縁となる。葉は互生する[2]

花期は4 - 6月[2]雌雄異株虫媒花、小型で花弁は白く4枚ある。果期は11 - 2月[2]果実は径6 - 10ミリメートル (mm) の核果で赤く熟し、4個の種子を含む。晩秋に赤く熟して緑の葉に映えるが、非常に渋みが強いので、冬の間もの餌にもならず、食べられることは少ない[2]

利用[編集]

赤い実をつけたセイヨウヒイラギ、またはそれを象った造花はクリスマスの装飾に使われる[2]。園芸用にも人気があり、黄色い実やとげのない葉など、多数の園芸品種が育成されており、日本でも園芸品種が多数出回っている[2]。ヨーロッパ以外でも、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドで栽培されたものが野生化している。

また、材は白く堅いので、細工物、特にチェスの白駒(黒駒は黒檀など)に使われる[2]

類似種にはアメリカ原産のアメリカヒイラギモチ(アメリカヒイラギ、I. opaca)、中国原産のヒイラギモチ(シナヒイラギ、ヤバネヒイラギモチ、I. cornuta)があり、これらも園芸・装飾用に用いられる。日本では特にヒイラギモチを用いることが多い。

また、魔除けの植物は薬用にも優れていると考えられていて、ローマの博物学者プリニウスは、葉に塩を混ぜると関節炎に効き、赤い実はコレラ、赤痢、腸の病気に、また、血管組織を収縮させる収斂剤になるとした。

文化[編集]

セイヨウヒイラギとセイヨウヤドリギのイラストが入ったクリスマスカード

常緑で真冬に目立つ赤い実をつけることから、ヨーロッパではキリスト教以前にもドルイドにより聖木とされた。また古代ローマではサトゥルヌスの木とされ、サートゥルナーリア祭(農神祭)で、知り合いへの贈り物と一緒にセイヨウヒイラギの枝を添え渡していたものを、その直後に当たる12月25日の冬至祭でキリスト教徒がまねたため、後にクリスマスにつきものの装飾となったといわれる。キリスト教では、キリストの足元から初めて生えた植物とされる。また、トゲトゲの葉や赤い実はキリストの流した血と苦悩を表す。そこから別名「キリストの刺」「聖なる木」とも呼ばれる。さらに花はミルクのように白いためキリストの生誕と結びつき、樹皮は苦いのでキリストの受難を表すとされる。 また、セイヨウヒイラギは魔力があると信じられていて、キリスト教にもそのことが取り入れられ、同じく魔力を持つと信じられていたアイビーとともにクリスマスの飾り付けに用いられる。悪魔妖精がクリスマスの期間に悪いことをしないようにと、民家、店、教会、墓地などに飾り付けられたといわれる。[3]

ヨーロッパでも数少ない常緑樹(常磐木)の一つで、冬に緑を保つ植物は神が宿る木と考えられており、セイヨウヒイラギの赤い実は血の象徴と女性を意味し、白い実をつけたセイヨウヤドリギは男性の精液のシンボルとして、二つ合わせてクリスマスに飾ることで新しい生命が生まれると信じられた[2]。ヨーロッパでは、皿やスカーフの装飾のモチーフに、セイヨウヒイラギの赤い実とセウヨウヤドリギの白い実を配したクリスマス飾りが描かれる[2]

セイヨウヒイラギの花言葉は、「永遠の輝き」である[2]

ヒイラギとの違い[編集]

日本に在来のヒイラギは刺の出た葉の形がよく似ているので混同されやすいが、モクセイ科モクセイ属に属する種で、葉は対生し、実が黒紫色に熟す、全く別の植物である[4]。若木のうちは葉にとげがあり、成木になると葉の棘がなくなって丸みある葉になる点は、セイヨウヒイラギ、ヒイラギともに共通するが、セイヨウヒイラギは互生、ヒイラギは対生するところで見分けがつく[2]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Ilex aquifolium L.” (日本語). BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年1月20日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 田中潔 2011, p. 25.
  3. ^ ハーブの事典 北野佐和子 2005年東京堂出版
  4. ^ 遠藤紀勝・大塚光子 『クリスマス小事典』社会思想社現代教養文庫〉、1989年11月30日、92 - 93頁。ISBN 978-4-390-11317-5 

参考文献[編集]

  • 田中潔 『知っておきたい100の木:日本の暮らしを支える樹木たち』主婦の友社〈主婦の友ベストBOOKS〉、2011年7月31日、25頁。ISBN 978-4-07-278497-6