ストラタステクノロジー
ストラタステクノロジー(Stratus Technologies)は、主に無停止コンピュータ(フォールトトレラント設計のコンピュータ)を製造・販売するアメリカ合衆国の企業である。1980年にストラタスコンピュータ(Stratus Computer)として設立され、1999年に現在の社名に変更された。
日本法人として日本ストラタステクノロジー株式会社を持つ。
概要[編集]
ストラタスコンピューターはフォールトトレラント設計のミニコンピュータ製品を製造・販売している。当時の競合相手はタンデムコンピューターズとDECのVAXミニコンピュータであった。また1985年から1993年まで、IBMからSystem/88の名称で再販された。2009年現在はftServerシリーズ、Continuumシリーズなどを製造・販売している。
歴史[編集]
ストラタスコンピューターは1980年に米国マサチューセッツ州で設立され、銀行や証券会社などの金融サービス会社を伝統的な市場とした。1990年代の初頭にはネットワーク管理や顧客サービスなどの通信産業にも参入し、その収益は企業向けコンピュータを上回ったため、Ascend Communicationsによる買収につながった(Ascend Communicationsは後にLucent Technologiesに獲得された)。
企業向けサーバ部門はAscendに僅かの利益したもたらさなかったため、1999年に売却され、国際投資会社のInvestcorpの出資を受け、ストラタステクノロジーとなった。投資家のInvestcorpやMidOcean Partners、インテルや日本電気などが出資していた。
その後、2014年9月にSiris Capitalグループが買収し、2020年現在もオーナーとなっている。
製品とユーザー[編集]
最初の製品ラインはモトローラのMC68000プロセッサーをベースとしていたが、次にはIntel i860、最後にはヒューレット・パッカードのPA-RISCに移行した(Continuumファミリ)。
より最近のシステム(ftServerファミリ)では、インテルのプロセッサーをベースとし、オペレーティングシステムとして独自のVOS[要曖昧さ回避](Virtual Operation System)、Microsoft Windows 2003、Linuxを稼働させている。VOSはMulticsから多くの特徴を受け継ぎ、拡張を続けて現在のストラタスのサーバ用のオペレーティングシステムとなっている。なおストラタスはFTX (Fault-Tolerant UNIX) と呼ばれるオリジナルのUNIXをベースとしたUNIX製品も持っていたが、既に販売を停止している。
ストラタスはVOSを搭載したV-series ftServersを発売し、2006年8月までにRed Hat Enterprise Linuxを搭載したT-series ftServers、Windows Server 2003を搭載したW-series ftServersを発売した。
2006年にはストラタスはテキサス州のEmergent Network Solutionsを買収した。EmergentサーバのアプリケーションであるENTICEは、ストラタスの通信ソリューションの基盤となった。ストラタスは最近は仮想化製品であるStratus Avanceも提供している。Avanceは高可用性のバーチャルマシンをまたがるアプリケーション開発を可能にする。
ストラタスの存在感は、フェニックス、アリゾナ州、メリーランド州、マサチューセッツ州などでは大きいが、他の州や日本を含む諸国では小さい。ストラタスは巨大な顧客ベースを持っており、クリティカルな環境での使用となる銀行、救急センター、警察、消防署、病院、医療施設、政府、クレジットカード会社、証券会社、通信電話会社、インターネットプロバイダーなどが多く利用されている。 近年は、新製品の投入もあり産業用用途での使用が急増している。
2009年1月現在では、主に以下のサーバーを販売している。
- ftServerファミリ(CPU:クアッドコアXeon)
- ftServer 2510 (Windows 2003 Server、Red Hat Enterprise Linux)
- ftServer 4410 (Windows 2003 Server、Red Hat Enterprise Linux、VMware ESX)
- ftServer 6210 (Windows 2003 Server、Red Hat Enterprise Linux、VMware ESX)
- Continuumファミリ(CPU:PA-RISC)
2019年 無停止機能を備え、産業分野のエッジ環境用に専用設計された、ゼロタッチで信頼性が高く、セキュアで、高度に自動化されたコンピューティング プラットフォーム ztC Edge を発売。 産業用途のエッジサーバーとして各所(自動車等のモノづくり現場から、工作機器への組込用途)で使用されている。
備考[編集]
- 日本電気とは1989年より業務提携しており、FTシリーズとしてOEM供給を受けNTTに納入していた。2005年には提携強化を発表し、日本電気がftServerのハードウェア開発、製造を、ストラタスがソフトウェアの開発を分担して行っている。 [1][2]。
参照[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 日本ストラタステクノロジー株式会社
- ストラタス、クアッドコアXeon搭載の無停止型サーバを発売
- 新しいエッジ コンピューティング インフラストラクチャ ztC Edge https://www1.stratus.com/jp/solutions/platforms/ztc-edge/