ジャワサイ
| ジャワサイ | |||||||||||||||||||||||||||
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ジャワサイ Rhinoceros sondaicus | |||||||||||||||||||||||||||
| 保全状況評価[a 1][a 2] | |||||||||||||||||||||||||||
| CRITICALLY ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) ワシントン条約附属書I | |||||||||||||||||||||||||||
| 分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||
| Rhinoceros sondaicus Desmarest, 1822 | |||||||||||||||||||||||||||
| 和名 | |||||||||||||||||||||||||||
| ジャワサイ | |||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | |||||||||||||||||||||||||||
| Javan rhinoceros Lesser one-horned rhinoceros Sunda rhinoceros | |||||||||||||||||||||||||||
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ジャワサイの生息図(濃い部分が現在の生息域) |
ジャワサイ(爪哇犀、Rhinoceros sondaicus)は、ウマ目(奇蹄目)サイ科に分類されるサイである[1]。かつては3つの亜種がジャワ島やユーラシア大陸やスマトラ島にかけて生息していたが、個体数の激減と各地での地域絶滅を経て分布の縮小と絶滅の危険性に晒されており、現存する唯一の生息地はジャワ島にあるウジュン・クロン国立公園である。インドネシア・バンテン州の野生動物の代表種に指定されている。
分類
[編集]模式種であるジャワサイの標準的な英名は Javan rhinoceros(Javan rhino)だが、Sunda rhinoceros や Lesser one-horned rhinoceros などと呼ばれることもある。また、ほぼ絶滅しているとされる亜種のインドシナジャワサイ(Indo-Chinese Javan rhinoceros)には Vietnamese Javan rhinoceros(ベトナムジャワサイ)や Vietnamese rhinoceros(ベトナムサイ)、絶滅したインドジャワサイ(Indian Javan rhinoceros)には Lesser Indian rhinoceros(レッサーインドサイ)や Hornless rhinoceros(「角がないサイ」の意)という呼び名も存在する。
サイ科の現生種では最も近縁なのはインドサイであり、以下のダイアグラムは2021年に発表された説に準拠している[2]。
2005年の時点では3つの亜種が有効とされており、この中で模式種であるジャワサイ(R. s. sondaicus)が現存しており、インドシナジャワサイ(R. s. annamiticus)とインドジャワサイ(R. s. inermis)は絶滅したか、ほぼ絶滅状態に陥っていると考えられている[3]。
- ジャワサイ(R. s. sondaicus)。
- インドシナジャワサイ(R. s. annamiticus)
- インドジャワサイ(R. s. inermis)
分布
[編集]野生個体が現存するのはインドネシア・ジャワ島の最西端に位置するウジュン・クロン国立公園のみである。
東インド、インドネシア(スマトラ島)、カンボジア、タイ、バングラデシュ、マレーシア(マレー半島)、ミャンマー、ラオス[4][a 2]、ベトナム、ブータン、中国では絶滅している[5][4][a 2]。
最も古い時代の化石は後期鮮新世(ピアセンジアン)に遡り、ジャワ島やミャンマーの他にもパキスタンからも発見されている[6][7][8]。
形態
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体長は2 - 4メートル、肩高は160-175センチメートル[4]、尾長は70センチメートル[4]、体重は900-2300キログラムに達する大型の陸棲哺乳類であり、ジャワ島の陸上生態系における最大のメガファウナであり、インドネシアの在来種でもアジアゾウに次ぐ大型の哺乳類である。比較的に近縁であるインドサイよりも小型であり、クロサイに近い大きさを持つ。ただし、個体数の少なさから科学的に正確な大きさを計測する機会が存在してこなかった[9]。
体形はやや細く、小型の頭部とやや長い四肢を持つ。灰色の皮膚[5]には明瞭ではないものの、鎧状の皺がある。角はインドサイと同様に1本のみであり、オスの角長は約25センチメートルになるが、メスには角がない個体が多い[4]。
性的二形が確認されておらず、メスがオスよりも若干ながら大型である可能性がある。また、現存する写真や足跡などの資料から、ベトナムに生息していた個体はジャワ島の個体よりも顕著に小型であったことが示唆されている[10]。
生態
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主に低地の熱帯雨林に生息し、河川や沼を好む[4]。単独で生活することが多い[4]。1日に15-20kmもの距離を移動することもあるが、一定の地域内でのみ活動することが多い[4]。
食性は植物食で、木の枝や樹皮、木の葉、芽、果実などを食べる[4]。
繁殖形態は胎生。46-48日の間隔で発情すると考えられている[4]。妊娠期間は16か月[4]。1回に1頭の幼獣を産む[4]。授乳期間は1-2年[4]。オスは生後6年、メスは生後3-4年で性成熟する[4]。
人間との関係
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角が装飾品とされたり、薬用になると信じられている[4]。また、マルコ・ポーロはジャワサイを伝説上の「ユニコーン」と思い込んで旅行記に記していた[11]。
開発による生息地の破壊、角目的の乱獲などにより、生息数は激減している[4]。1988年にベトナムで個体群が発見されるまでは、ジャワ島西部のウジュン・クロン国立公園内を除いて絶滅したと考えられていた[5][4]。ジャワ島での1960年代における生息数は25-50頭と推定されている[4]。2011年10月にベトナムに生息していた希少なジャワサイの最後の個体が密猟で殺されたため、同国のジャワサイは絶滅となった。
2020年9月、ウジュン・クロン国立公園でジャワサイの子供2頭が発見された。これによりジャワサイの個体数は74頭になった。2頭の内、雌はヘレン(Helen)、雄はルーサー(Luther)と名付けられた。ジャワサイの子供は極めて希少である。[12]
ウジュン・クロン国立公園はジャワサイの世界最後の生息地であるが、 活火山であるクラカタウ山の危険区域に位置するため、インドネシア政府は同公園からジャワサイを移動させるため、ジャワ島とスマトラ島の他の地域の調査を進めている。[12]
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ↑ Norman Owen-smith 「サイ」祖谷勝紀訳『動物大百科 4 大型草食獣』今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編、平凡社、1986年、52-51頁。
- ↑ Liu, S.; Westbury, M.V.; Dussex, N.; Mitchell, K.J.; Sinding, M.-H.S.; Heintzman, P.D.; Duchêne, D.A.; Kapp, J.D. et al. (2021). “Ancient and modern genomes unravel the evolutionary history of the rhinoceros family”. Cell 184 (19): 4874–4885.e16. doi:10.1016/j.cell.2021.07.032. hdl:10230/48693. PMID 34433011.
- ↑ Grubb, P. [英語版] (2005). “Species Rhinoceros sondaicus”. In Wilson, D.E.; Reeder, D.M (eds.). Mammal Species of the World: A Taxonomic and Geographic Reference (英語) (3rd ed.). Johns Hopkins University Press. p. 636. ISBN 978-0-8018-8221-0. OCLC 62265494.
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ5 東南アジアの島々』、講談社、2000年、27、134頁。
- 1 2 3 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科4 大型草食獣』、平凡社、1986年、48-49、51頁。
- ↑ Maung-Thein, Z.-M.; Takai, M.; Tsubamoto, T.; Egi, N.; Thaung, H.; Nishimura, T.; Maung, M.; Zaw, M. (2010). “A review of fossil rhinoceroses from the Neogene of Myanmar with description of new specimens from the Irrawaddy Sediments”. Journal of Asian Earth Sciences 37 (2): 154–165. Bibcode:2010JAESc..37..154Z. doi:10.1016/j.jseaes.2009.08.009.
- ↑ Groves, C.P.; Leslie, D.M. (2011). “Rhinoceros sondaicus (Perissodactyla: Rhinocerotidae)”. Mammalian Species 43 (887): 190–208. doi:10.1644/887.1. hdl:1885/52865.
- ↑ Zubaid, S.; Waseem, M.T.; Khan, A.M.; Sarwar, G. (2024). “Systematic and Taxonomic Investigations of Newly Discovered Mammalian Fauna from Late Pliocene of the Siwalik Sub-group of Pakistan”. In Çiner, A.; Naitza, S.; Radwan, A.E. et al.. Recent Research on Sedimentology, Stratigraphy, Paleontology, Geochemistry, Volcanology, Tectonics, and Petroleum Geology. Advances in Science, Technology & Innovation. Cham: Springer. pp. 67–71. doi:10.1007/978-3-031-48758-3_16. ISBN 978-3-031-48757-6
- ↑ “Javan rhinoceros (Rhinoceros sondaicus)”. ARKive. 2011年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年10月21日閲覧。
- ↑ van Strien, Nico (2005). “Javan Rhinoceros”. In Fulconis, R.. Save the rhinos: EAZA Rhino Campaign 2005/6. ヨーロッパ動物園・水族館協会. pp. 75–79
- ↑ Emily Reynolds、Kaori Yonei、Hiroko Gohara/Galileo「人類が目撃していたかもしれない「ユニコーン」」『WIRED』2016年3月31日、2025年7月15日閲覧。
- 1 2 “絶滅危惧のジャワサイ 子ども2頭を確認 種の存続への期待高まる”. AFP. 2020年9月22日閲覧。
外部リンク
[編集]- ↑ CITES homepage
- 1 2 3
The IUCN Red List of Threatened Species
- van Strien, N.J., Steinmetz, R., Manullang, B., Sectionov, Han, K.H., Isnan, W., Rookmaaker, K., Sumardja, E., Khan, M.K.M. & Ellis, S. 2008. Rhinoceros sondaicus. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.