ジシクロペンタジエン

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ジシクロペンタジエン[1]
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識別情報
略称 DCPD
CAS登録番号 77-73-6
PubChem 6492
6428576 (6R)
10396885 (1S,7R)
ChemSpider 6247
24532442 (2H12)
4933978 (6R)
8572323 (1S,7R)
J-GLOBAL ID 200907018884754735
EC番号 247-724-5
国連/北米番号 UN 2048
KEGG C14411
MeSH Dicyclopentadiene
RTECS番号 PC1050000
バイルシュタイン 1904092
特性
化学式 C10H12
モル質量 132.20 g/mol
密度 0.98 g/cm3
融点

32.5 °C

沸点

170 °C

危険性
NFPA 704
NFPA 704.svg
3
1
1
引火点 32 °C
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ジシクロペンタジエン(dicyclopentadiene、略称: DCPD)は、化学式C10H12で表される有機化合物である。室温では、カンファー様芳香を有する白色結晶性固体である。エネルギー密度は10,975 Wh/L。ジシクロペンタジエンはナフサおよび重油の水蒸気分解によるエチレンの生産時に大量に共生産される。主な用途はレジン、特に不飽和ポリエステルレジンである。また、インクや接着剤、塗料にも使用される。高エネルギー燃料の一種でもある。独特の臭気を有する。常温で固体[2]消防法による第4類危険物 第2石油類に該当する[3]

全世界の上位7社による2001年の年間生産量は179キロトンである。

反応性[編集]

150°C以上で加熱すると、ジシクロペンタジエンは逆ディールス・アルダー反応により無機化学においてよく知られている配位子シクロペンタジエンを与える[4]。この反応は可逆的であり室温ではシクロペンタジエンはゆっくりと二量化しジシクロペンタジエンが再生成される。

ジシクロペンタジエン水素化endo-テトラヒドロジシクロペンタジエンを与える。この化合物は塩化アルミニウムと共に昇温すると転位反応を起こしアダマンタンとなる[5]

ジシクロペンタジエンは重合反応におけるモノマーであり、ノルボルネン二重結合のみを利用しエチレンあるいはスチレンと共重合する[6]。 また開環メタセシス重合により、ポリジシクロペンタジエン英語版が得られる。

空気中で酸化されることがあるため、抗酸化剤としてブチルヒドロキシトルエン(BHT)存在下で保管するのが一般的である。

脚注[編集]

  1. ^ Merck Index, 11th Edition, 2744
  2. ^ EC21 Inc.. “Dicyclopentadiene from Puyang Shenghuade Chemical Co., Ltd., China”. 2011年11月18日閲覧。
  3. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
  4. ^ 古賀弥「ジシクロペンタジエンの利用」、『有機合成化学協会誌』第28巻第12号、有機合成化学協会、1970年、 1280-1284頁、 doi:10.5059/yukigoseikyokaishi.28.12_1280
  5. ^ Paul von R. Schleyer, M. M. Donaldson, R. D. Nicholas, and C. Cupas (1973). “Adamantane”. Organic Syntheses. http://www.orgsyn.org/demo.aspx?prep=cv5p0016. ; Collective Volume, 5, pp. 16 
  6. ^ Li, Xiaofang; Hou, Zhaomin (2005). “Scandium-Catalyzed Copolymerization of Ethylene with Dicyclopentadiene and Terpolymerization of Ethylene, Dicyclopentadiene, and Styrene”. Macromolecules 38: 6767. doi:10.1021/ma051323o. 

外部リンク[編集]