ゲニーネ

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ゲニーネ
Genuine. Die Tragödie eines seltsamen Hauses
監督 ロベルト・ヴィーネ
脚本 カール・マイヤー
製作 ルドルフ・マイネルト
エリッヒ・ポマー英語版
出演者 フェルン・アンドラ
ハンス・ハインリッヒ・フォン・トワルドフスキー
アルバート・ベネフェルト
ヨーン・ゴットウット英語版
ルイス・ブロディ
撮影 ウィリー・ハマイスター
配給 ドイツ国の旗 デクラ・ビオスコープ
公開 ドイツ国の旗 1920年9月2日
日本の旗 1922年10月20日[1]
上映時間 88分
43分(短縮版)[2]
製作国 ドイツの旗 ドイツ国
言語 サイレント映画ドイツ語インタータイトル
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ゲニーネ』(: Genuine. Die Tragödie eines seltsamen Hauses)とは、1920年に公開されたドイツサイレントホラー映画。監督のロベルト・ヴィーネ、脚本のカール・マイヤー、撮影のウィリー・ハマイスターら『カリガリ博士』(1919年)のスタッフが再結集。美術監督のセザール・クラインもそうで、ドイツ表現主義の影響が色濃い奇妙な世界を創造した[2]

アメリカでは『Genuine: A Tale of a Vampire(ゲニーネ: 吸血鬼の物語)』、日本でも『吸血尼ゲニーネ』[1]という別題があるが、実際には色香で男を迷わすサキュバス、いわゆるヴァンプである。奴隷市場の場面では僅かながらヌードシーンもある。

興行成績は振るわず、ヴィーネはこの作品以降しばらくホラーを離れ、1924年の『芸術と手術』で復帰する[2]。88分のフルバージョンも現存しているが、一般的に流通しているのは43分の短縮版であり、それで評価を下すのは困難である[2]

あらすじ[編集]

画家のパーシーはゲニーネという娘の肖像画を手がけて以来、絵画に興味をなくし部屋で独り過ごすようになる。裕福なパトロンのオファーを断った彼は眠りに落ち、ゲニーネの人生を夢に見る。

ゲニーネはある蛮族の女司祭だったが、敵対する部族による襲撃を受けて奴隷の身に落ち、変わり者の貴族・メロ卿によって買われる。メロ卿は彼女を自宅の地下室に閉じ込めて籠の鳥にする。

メロ卿の家には毎日正午に床屋のギヤールがやってくるが、ある日、彼は審問に召喚され、代わりに甥のフロリアンをメロ卿の家に向かわせる。フロリアンがメロ卿のヒゲを剃っていたところに、偶然、地下室から脱出したゲニーネが現れる。フロリアンはたちまちゲニーネに魅了され、気づいた時にはメロ卿の首を剃刀で掻き切っていた。

フロリアンはゲニーネを欲するが、ゲニーネは条件をつける。それはフロリアンが生贄として自分の命を絶つことだった。しかしフロリアンは怖くなって、屋敷から逃げ出す。そこにメロ卿の孫パーシーが屋敷を訪れる。パーシーもゲニーネの虜になり、ゲニーネはパーシーにも自殺を迫る。パーシーは苦悩する。

甥から話を聞いたギヤールが仲間を連れて屋敷に押しかける。魔女狩りだ。混乱の中、ゲニーネを殺したのはフロリアンだった。

そこでパーシーは目醒めるーーすべてはパーシーの夢だったのだ。

キャスト[編集]

  • メロ卿(Lord Melo); エルンスト・グロナウ
  • パーシー・メロ(Percy); ハラルト・パウルゼン
  • クルソン(Curzon); アルバート・ベネフェルト
  • 黒人奴隷; ルイス・ブロディ

脚注[編集]

  1. ^ a b 東京朝日新聞 大正11年10月19日夕刊の広告(帝国館
  2. ^ a b c d Workman, Christopher; Howarth, Troy (2016). "Tome of Terror: Horror Films of the Silent Era". Midnight Marquee Press. p. 219.ISBN 978-1936168-68-2.

外部リンク[編集]