クロコダイル科
クロコダイル科 | ||||||||||||||||||||||||
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![]() ナイルワニ Crocodylus niloticus
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保全状況評価 | ||||||||||||||||||||||||
(ワシントン条約付属書II類) | ||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||
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属 | ||||||||||||||||||||||||
クロコダイル科(クロコダイルか、Crocodylidae)は、爬虫綱ワニ目に属する科。模式属はクロコダイル属。
分布[編集]
アフリカ大陸、オーストラリア大陸北部、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、ユーラシア大陸南部、インドネシア、キューバ、ジャマイカ、ドミニカ共和国、ハイチ、パプアニューギニア、フィリピン、マダガスカル西部。
形態[編集]
オリノコワニ、イリエワニのような大型種は全長7 mに達する。最小種はニシアフリカコビトワニで全長2 m。背面は大型の鱗で覆われているが、幅が狭い。腹面にある鱗板の後部に感熱器官(濾胞)がある。口吻が細長い傾向があるが、幅広い種や短い種もいる。口を閉じた時に下顎の第4歯が外から見える。また口吻の長さに対して相対的に歯の数が少ない。
分類[編集]
外部形態や分子系統学の研究から、1種のみでガビアル科を形成するインドガビアルを本科に含める説もある。
- Crocodylus acutus アメリカワニ American_crocodile
- Crocodylus cataphractus アフリカクチナガワニ Slender-snouted crocodile
- Crocodylus intermedius オリノコワニ Orinoco crocodile
- Crocodylus johnstoni オーストラリアワニ Freshwater crocodile
- Crocodylus mindorensis ミンドロワニ Philippine crocodile
- Crocodylus moreletii モレレットワニ Morelet's crocodile
- Crocodylus niloticus ナイルワニ Nile crocodile
- Crocodylus novaeguineae ニューギニアワニ New Guinea crocodile
- Crocodylus palustris ヌマワニ Mugger crocodile
- Crocodylus porosus イリエワニ Saltwater crocodile
- Crocodylus rhombifer キューバワニ Cuban crocodile
- Crocodylus siamensis シャムワニ Siamese Crocodile
コビトワニ属 Osteolaemus
- Osteolaemus tetraspis ニシアフリカコビトワニ Dwarf crocodile
マレーガビアル属 Tomistoma
- Tomistoma schlegeli マレーガビアル False gharial
生態[編集]
河川や湖、池、沼、湿原などの淡水域だけでなく、種によっては汽水域や海洋にも生息する。地面に踵をつけて歩き(蹠行性)、種によっては飛び跳ねるようにして走行することもできる。
食性は動物食で、魚類、爬虫類、鳥類、哺乳類、昆虫類、甲殻類、貝類などを食べる。イリエワニやナイルワニは家畜や人を捕食することもある。
繁殖形態は卵生。地面に穴を掘ったり、土や枯草、落ち葉などを集めた塚状の巣の中に卵を産む。さらにメスは卵や幼体を保護する。
人間との関係[編集]
イリエワニやナイルワニは時に人間を捕食することもある。襲われた場合、目を突くと噛んでいた口を開くことがあるため、アフリカの漁師たちの間では『ワニに噛まれたら目を突け』という言い伝えがある。
食用とされる事もあり、皮は革製品として利用される。
開発による生息地の破壊、水質汚染、皮目的の乱獲などにより生息数が減少している種もいる。
画像[編集]
参考文献[編集]
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- 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社、1984年、150-151頁。
- 深田祝監修 T.R.ハリディ、K.アドラー編 『動物大百科12 両生・爬虫類』、平凡社、1986年、150-157頁。
- 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ6 アフリカ』、講談社、2000年、118-119、222-223頁。
- 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』、講談社、2000年、109-110、197-198頁。
- 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ5 東南アジアの島々』、講談社、2000年、98、201-202頁。
- 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ2 アマゾン』、講談社、2001年、90、167頁。
- 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ3 中央・南アメリカ』、講談社、2001年、116-117、257-258頁。
- 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、156-159頁。
- 『小学館の図鑑NEO 両生類はちゅう類』、小学館、2004年、140-142頁。