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クネレド条約

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クネレド条約(クネレドじょうやく)とは、スコーネ地方のクネレド1613年1月20日デンマークスウェーデンの間で結ばれたカルマル戦争平和条約である。イングランドによる調停と、スウェーデン宰相オクセンシェルナのデンマークとの交渉により、スウェーデン側が賠償金を支払う事で両国は合意した。

内容

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  • エルヴスボリ要塞は、スウェーデンが100万リクスダラーを支払う事で返還する。
  • イェータ川河口は、デンマークが領有するが、5年後にスウェーデンがデンマークに100万リクスダラーを支払い、スウェーデンによる再取得とする。

カルマル戦争は、デンマーク王クリスチャン4世による、デンマーク陸軍の強化と、スウェーデン王グスタフ・アドルフのスウェーデン王位継承及びロシアとのイングリア戦争大動乱)の間隙を突いた事で、グスタフ・アドルフから全面的な譲歩を勝ち取った戦争となった。賠償金は、当時のスウェーデン財政においては厳しい処置ではあったが、要塞を取り戻し、イェータ川河口も5年間の後、再取得した事で領土に関して損失はなかった。

参考文献

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  • 入江幸二『スウェーデン絶対王政研究 財政・軍事・バルト海帝国』知泉書館、2005年12月。ISBN 978-4-901654-62-3 
  • 武田龍夫『物語 北欧の歴史 - モデル国家の生成』中央公論新社中公新書 1131〉、1993年5月。ISBN 978-4-12-101131-2 
  • 武田龍夫『物語 スウェーデン史 - バルト大国を彩った国王、女王たち』新評論、2003年10月。ISBN 978-4-7948-0612-3