キムラグモ属
キムラグモ属 | |||||||||||||||||||||
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![]() ヤンバルキムラグモ
Heptathela kimurai yanbaruensis | |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Heptathela Kishida,1923 | |||||||||||||||||||||
種 | |||||||||||||||||||||
本文参照 |
キムラグモ属 Heptathera は、クモ綱クモ目ハラフシグモ科に属するクモの分類群の一つである。キムラグモの発見に伴ってその属する群の名として立てられたが、現在では細分されている。
特徴[編集]
主な特徴はハラフシグモ科のそれに等しい。詳細はその項を参照されたい[1]。
科の全体に通ずる特徴からはずれる本属の特徴として、糸疣が4対8個でなく、後ろ対内側の2つが癒合して一つになり、全部で糸疣が7個になっている点が挙げられる。このためにキムラグモはそれまでのハラフシグモ類から分けて新科新属とされた。その時点では、キムラグモ科にはキムラグモ属のみを含んでいた[2]。
その後キムラグモ科とハラフシグモ科はハラフシグモ科に統合されてその下で亜科の位置に納まった。他方でキムラグモ属は、沖縄産のものについてオキナワキムラグモ属 Ryuthela が立てられ、さらに中国産のものが分けられて3つの新属が立てられた。つまり従来のキムラグモ科、現在のキムラグモ亜科のものは5属に分けられている。それらは、主に生殖器の構造をもって区別されている。
オキナワキムラグモ属との区別は以下の通り。
- 雌では貯精嚢が1対で、それぞれ2葉性であること。
- 雄では触肢付節が長くなく、幅とほぼ同大で、指示器を有する。
分布と分類[編集]
本属のものは全て日本産で、9種が九州から沖縄本島まで異所的に分布する。形態はすべてほとんど同じで、正確な同定には雄では触肢器官の構造、雌では雌性生殖器の内部構造、特に受精嚢の構造によらなければならない。種名と分布域は以下の通り。順番は、おおよそ北から南に並べた。
Heptathera キムラグモ属
- H. kikuyai Ono, 1998 ブンゴキムラグモ:福岡県南部、熊本県北部及び東部、大分県、宮崎県北部
- H. kimurai (Kishida, 1920) キムラグモ:熊本県東部と南部、大分県西部、熊本県西部
- H. higoensis Haupt, 1983 ヒゴキムラグモ:熊本県西部
- H. yaginumai Ono, 1998 ヒュウガキムラグモ:宮崎県東部
- H. nishikawai Ono, 1998 ヒトヨシキムラグモ:熊本県南部、鹿児島県北部、宮崎県南部
- H. yakusimaensis Ono, 1998 ヤクシマキムラグモ:屋久島
- H. amamiensis Haupt, 1983 アマミキムラグモ:奄美大島
- H. kanenoi Ono, 1998 トクノシマキムラグモ:徳之島
- H. yanbaruensis Haupt, 1983 ヤンバルキムラグモ:沖縄本島
出典[編集]
参考文献[編集]
- 小野展嗣編著、『日本産クモ類』、(2009)、東海大学出版会
- 内田亨監修『動物系統分類学(全10巻)第7巻(中A) 節足動物(IIa)』,(1966),中山書店