ガープス・ドラゴンマーク

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ガープス・ドラゴンマーク』は友野詳によってデザインされた歴史改変SFRPG

2000年富士見書房からA4判書籍で発売された。『ガープス・ベーシック第3版』に対応したルールブックである。

概要[編集]

「間違った歴史」となった世界を修正するために送り込まれた謎の敵に、「平行世界からやって来たヒーロー」が結集して立ち向かう、歴史改変SF・RPG。 ジャンルをクロスオーバー・RPGと考えることもできる。

「平行世界からやって来たヒーロー」は一度死亡し、意識体のみの存在となって、我々の世界の一般人に憑依している。そのため、「一般人であるキャラクター」と「ヒーローであるキャラクター」の二役をロールプレイすることになる。

世界設定[編集]

平行世界[編集]

この世界には、無数の平行世界が存在している。

新しい所では、第二次世界大戦が起こらずに、別の歴史をたどった平行世界があるかもしれない。古い所では、猿が進化して人類とならずに、猫が進化して人類となり、別の歴史をたどった平行世界があるかもしれない。

基本的に、世界から別の世界に移動する者はなく、それぞれの世界は独立を保って存在していた。

正当な歴史[編集]

現在の世界のはるか未来に、ディーヴァと呼ばれる者たちが現れた。彼らは、自らがたどった歴史のみを正当な歴史と考え、枝分かれした平行世界の間違った歴史と考えた。ディーヴァはそれらの平行世界に、人間女性に見える「生体アンドロイド」を送り込み、歴史の分岐点を抹消するべく工作を行なった。

例えば、第二次世界大戦が起こらなかった平行世界があれば、過去に介入し、戦争に反対した人物を見つけ出して殺害した。また、猫が進化して人類となった世界であれば、過去に介入し、まだ原始的な猫を猿に襲わせて、進化しようとしていた猫を絶滅させた。

滅びた世界[編集]

ディーヴァが過去の時点に「生体アンドロイド」を送り込み、その時点から正当な歴史に変えてやるには、あまりにも歴史の違いが大きすぎる場合もあった。その場合には、「生体アンドロイド」と共に戦車やミサイルといった兵器が送り込まれ、その世界の生命体が絶滅するまで徹底した破壊が行われた。生命体が絶滅することで、その平行世界は滅びた世界となった。

意識体[編集]

滅びた世界にいた者たちは、当然ながらそのまま死に絶えた。

しかし、ごく稀にその世界の存続を諦めなかった者たちの意識体が、我々の世界の人間に意識体として憑依するという事態が発生した。これまでに知られている限り、それらの意識体の出身となる平行世界は別々でも、憑依されるのは我々の世界の2000年頃の人間であった。

憑依した意識体は、出身となる平行世界で殺害された記憶を持っている。そして死後に、平行世界の間に生きる、高位次元生命体の存在を感じ、その高位次元生命体の意志として、我々の世界の人間に憑依するのだと考えられている。

高位次元生命体は、出会った者にドラゴンのようなイメージを与える。そして、意識体に憑依された人間には、体のどこかにドラゴンマークと思えるができる。こうして、ひとりの体にふたりの人格を宿した者を竜の傭兵と呼ぶ。

ゲートマスター[編集]

竜の傭兵のうちごく一部の者は、高位次元生命体と意志疎通を行ない、他の平行世界への扉を開く力を与えられる。この力を得た者をゲートマスターと呼ぶ。

ゲートマスターは仲間として竜の傭兵を探し、高位次元生命体からもたらされた情報をもとに、危機を迎えている平行世界への扉を開く。

システム[編集]

『ガープス・ドラゴンマーク』のキャラクターは、75CPによるベース・キャラクターと、50CPによるバージョンによって作成される。

ベース・キャラクターは、基本的に日本で生活する一般人となる。

バージョンは、平行世界にいた「もう一人の自分」の能力を表す。 あらかじめ用意されたバージョンとして、有翼の騎士剣豪格闘士影の猫冬の姫巫女電光の使徒大西部の酔いどれ医霊術師の8種類から1つを選択することができる。

ライト・ルール[編集]

『ガープス・ドラゴンマーク』のルールは112頁までであり、113頁から150頁までにはライト・ルールが掲載されている。

ライト・ルールを使用することで、『ガープス・ベーシック第3版』なしでも、本書のみでプレイすることが可能となっている。

製品一覧[編集]

  • 『ガープス・ドラゴンマーク』 安田均監修・友野詳著、富士見書房、2000年、157頁。ISBN 4-8291-7461-7
  • 『ドラゴンマーク・リプレイ 若き竜の羽ばたき』 安田均監修・友野詳著、富士見ドラゴンブック、2000年、285頁。ISBN 4-8291-4366-5