カール・ベヒシュタイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カール・ベヒシュタイン
ベヒシュタインのサイン

カール・ベヒシュタイン(Carl Bechstein, 1826年6月1日 - 1900年3月6日)は、ドイツピアノ製造技師であり、ピアノメーカー、ベヒシュタインの創業者である。

人物・来歴[編集]

1826年6月1日にザクセン=コーブルク=ゴータ公国ゴータで、父フリードリヒ・ベヒシュタインと母クリスティーネ・ライスリングの長男として生まれた。他にツェツィーリエとエミーリエという2人の姉がいた。

父は音楽家で熱心な勉強家であったが、カールが4歳のときこの世を去った。母は数年後、古くから付き合いのある一族のアグテと再婚した。アグテは厳格な父親であったが、カールにピアノヴァイオリンチェロのレッスンを受けさせた[1]

姉エミーリエはピアノ工房を構えているヨハン・グランツという職人と結婚し、カールはこの義兄のもとでピアノ製作の修業に励んだ。その後、ドイツのピアノ工場で技術を磨いたが、1849年には当時ピアノ製作では世界一といわれたフランスパリへ移り、中でも有名であったクリーゲルシュタインの下で修業した[2]

その後、1853年10月1日にベルリンでベヒシュタイン工場は操業、1856年には最初のグランドピアノを製造した[3]

脚注[編集]

  1. ^ 『ベヒシュタイン物語』南斗書房、1993年、ISBN 4-79526-756-1:28頁 音楽的耳を持った少年
  2. ^ 『ピアノの歴史』河出書房新社、2009年、ISBN 4-30927-086-7:94頁 ベヒシュタイン
  3. ^ 『楽器の事典 ピアノ』東京音楽社、1982年、ISBN 4-88564-036-9:90頁 ヨーロッパの代表的なピアノ

関連項目[編集]