エミスムツアシガメ

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エミスムツアシガメ
エミスムツアシガメ
エミスムツアシガメ Manouria emys
保全状況評価[a 1][a 2]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
Status iucn2.3 EN.svgワシントン条約附属書II
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: カメ目 Testudines
亜目 : 潜頸亜目 Cryptodira
上科 : リクガメ上科 Testudinoidea
: リクガメ科 Testudinidae
: ムツアシガメ属 Manouria
: エミスムツアシガメ M. emys
学名
Manouria emys
(Schlegel & Müller, 1844)
シノニム

Testudo phayrei Blyth, 1853 Testudo nutapundi
Reimann in Nutaphand, 1979

和名
エミスムツアシガメ
セマルムツアシガメ
英名
Asian forest tortoise
Asian giant tortoise
Six-footed tortoise

エミスムツアシガメManouria emys)は、リクガメ科ムツアシガメ属に分類されるカメ。ムツアシガメ属の模式種。別名セマルムツアシガメ

分布[編集]

  • M. e. emys スマトラムツアシガメ

インドネシアスマトラ島ボルネオ島)、タイ南西部、マレーシア[1][2][3]

模式標本の産地(模式産地)はスマトラ島(インドネシア)[3]

  • M. e. phayrei ビルマムツアシガメ

インド北東部、タイ中部以北、バングラデシュミャンマー[1][2][3]

形態[編集]

最大甲長60センチメートル[1][3]。最大体重27キログラム[3]。背甲はややドーム状に盛り上がり[1]、第2-3椎甲板は平坦[3]

頭部はやや大型[3]。吻端は突出せず、上顎の先端はわずかだが鉤状に尖る[3]。四肢前部には棘状の大型鱗が並ぶ[3]。後肢と尾の間に棘状の大型鱗が複数ある[1][2][3]

幼体は縁甲板が鋸状に尖り反りかえるが、成長に伴い突起や反りかえりがなくなる[3]

  • M. e. emys スマトラムツアシガメ

最大甲長48センチメートル[3]。最大体重20キログラム[3]。背甲の色彩は褐色や暗褐色[2][3]。左右の胸甲板が接しない[2][3]

  • M. e. phayrei ビルマムツアシガメ

最大亜種。背甲の色彩は黒や暗褐色[2][3]。左右の胸甲板が接する[2][3]

分類[編集]

種小名emysは「陸棲のカメ」の意[3]

  • Manouria emys emys (Schlegel & Müller, 1844) スマトラムツアシガメ Brown forest tortoise
  • Manouria emys phayrei (Blyth, 1853) ビルマムツアシガメ Burmese black forest tortoise

生態[編集]

標高1,000メートル以下にある熱帯雨林などに生息し、森林内の小川やの周辺を好む[3]。泥中や堆積物、倒木や植物の根元などに高温時や採食の為に、浅い水中に入ることもある[3]

食性は植物食傾向の強い雑食で、水生植物、果実、タケノコ、キノコ昆虫、陸棲の貝類、ミミズ、カエルなどを食べる[1][3]

繁殖形態は卵生。ボルネオの個体群は3-4月に交尾を行った例がある[3]。3月に前肢で地面を掘って、飼育下では1回に23-51個の卵を産んだ例がある[3]。メスは卵の上に落ち葉や枝を塚状に積み上げ[1]、飼育下の観察例では産卵巣に近づいた物に対して攻撃する[3]

人間との関係[編集]

亜種ビルマムツアシガメの亜種小名phayreiは、亜種ビルマムツアシガメの模式標本を採集したSir Arthur Phayreへの献名[3]

生息地や中華人民共和国では食用や薬用とされることもある[1][3]

開発による生息地の破壊、食用や薬用の乱獲などにより生息数が激減している[1][3]

ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。主に基亜種の野生個体が流通する[3]。小型な基亜種でも40センチメートル以上に達する大型種のため、極めて大型のケージなどが用意できない限り飼育は勧められない[3]

参考文献[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』、講談社2000年、117、207頁。
  2. ^ a b c d e f g 千石正一監修 長坂拓也編 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、198頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac 安川雄一郎 「ドロガメ属の分類と自然史(第1回)」『クリーパー』第31号、クリーパー社、2006年、2-4、17-29頁。
  • 山田和久 『爬虫・両生類ビジュアルガイド リクガメ』、誠文堂新光社、2005年、69-71頁。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  1. ^ CITES homepage
  2. ^ The IUCN Red List of Threatened Species
    • Asian Turtle Trade Working Group 2000. Manouria emys. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.