ウォーカー・エバンス

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ウォーカー・エバンス

ウォーカー・エヴァンス(Walker Evans, 1903年11月3日 - 1975年4月10日)は、アメリカ合衆国ミズーリ州出身の写真家。記録写真で有名になった。その名前のカタカナ表記は、他にも「ウォーカー・エヴァンス」「ウォーカー・エヴァンズ」「ウォーカー・エバンズ」「ウオーカー・エヴァンス」などがあり、必ずしもひとつに確定していない。

彼はセントルイスで、ジェシーエバンス、ウォーカー・エバンスの夫婦の間に生まれた[1]ウィリアムズ大学を中退し、パリに渡ってソルボンヌ大学で学ぶ。はじめは作家になるつもりだったが、アメリカに帰国してから写真の道を歩むようになった。

世界恐慌下のアメリカの農業安定局 (FSA) のFSAプロジェクトに加わり、南部の農村のドキュメント写真を撮ったことで有名になった。

その作品は、記録性を徹底したストレートフォトグラフィであり、スティーグリッツ的な芸術性を受け入れることはなかった。(下記参考文献「ポケットフォト ウォーカー・エヴァンス」を参照)

主要な作品[編集]

  • ブルックリン橋、ニューヨーク、1929年
    • ブルックリン橋を下から斜めに見上げる構図の写真
  • アラバマ州の小作人の妻、1936年
    • 農業従事者であるアメリカ女性を、正面から見据えるように撮影したポートレート
  • 地下鉄の肖像、ニューヨーク、1938年から1941年
    • ニューヨークの地下鉄の席に座る乗客を、正面から隠しカメラを使って撮影した作品

主要な写真集[編集]

  • 『Let Us Now Praise Famous Men(名高き人々をいざ讃えん)』(1941年、作家ジェイムズ・エイジー(James Agee)との共著。エイジーがテキスト、エヴァンスが写真)

主要な展覧会[編集]

日本における主要な展覧会[編集]

  • ウォーカー エバンズ写真展(アメリカン・センター、1976年)
    • 大阪、京都、福岡、東京、名古屋、札幌の各アメリカン・センターにて、2月から6月にかけて開催
    • 東京都写真美術館図書室所蔵のこの展覧会の展覧会カタログは、次のような内容
      • 人と作品(1ページ)
      • 8点の写真図版(合計8ページ)
      • 作品リスト(50点+10点)(見開き2ページ)
      • 参考資料/スケジュール(1ページ)
  • 「明日を夢見て」 : アメリカ社会を動かしたソーシャル・ドキュメンタリー.(東京都写真美術館、2004年)
    • グループ展(ジェイコブ・A.リース, ルイス・W.ハイン, ウォーカー・エヴァンズ, ドロシア・ラング, ベン・シャーン, ベレニス・アボット, フォト・リーグ)

和書[編集]

  • ポケットフォト ウォーカー・エヴァンス(訳者・藤崎学人、創元社、2010年)
  • ウォーカー・エヴァンズ〈無題(ニューヨーク州〉について(平成四年度新収蔵作品III)(増田玲、現代の眼463号、特集: 平成四年度新収蔵作品III、1993年6月)

脚注[編集]

  1. ^ “Walker Evans Dies; Artist With Camera”, The New York Times 

外部リンク[編集]