ウイングスーツ
ウイングスーツ (Wingsuit) は、手と足の間に布を張った滑空用特殊ジャンプスーツである[1]。ムササビスーツと呼ばれることもある。
概要[編集]
1990年代中頃に、フランス人スカイダイバーのパトリック・デ・ガヤルドンによって考案された。1999年にはフィンランドのBIRDMAN社から世界初の市販ウイングスーツが発売された[2]。また飛行機の翼のようなタイプは「ウイングパック」 (WINGPACK) と呼ばれ、カーボンファイバーなどで出来た硬い翼を身に着けて滑空する。
ウイングスーツで飛ぶことを、“ウイングスーツフライング” または “スカイフライング” と呼び、ウイングスーツで飛ぶ人のことを、“ウイングスーツ・パイロット”、“ウイングスーター”、“スカイフライヤー” と呼ぶ。
スカイダイビングのように飛行機やヘリコプターにより上空からや、高い崖からの “BASEジャンピング” により飛び降り滑空する。空気抵抗を増やすだけでなく、揚力も発生するようになっている[3]。
翼タイプの「ウイングパック」ではジェットエンジンなどの推進器を付けるなどして速度、飛行時間を増大させている。また軍事目的としても開発されている[4]。
最高時速は200km以上に達し、着陸の際は、事前にパラシュートを開いて減速し着地する。
訓練[編集]
初めてのウイングスーツの使用には、ライセンスを持つ現役のスカイダイバーで500回以上の通常スカイダイビング経験、または最低200回以上の通常スカイダイビング経験とインストラクターの指導が必要である[5]。
BASEジャンプからの事故は多く、毎年20人あまりが命を落としている[6]。
記録[編集]
2009年11月12日、米国カリフォルニア州エルシノア市で、世界16ヶ国から集まったフライヤー68名によりウイングスーツ世界最多人数のフォーメーション飛行が行われ、米国公式記録として登録される。日本からは伊藤慎一が唯一参加[7]。
2011年5月28日、米国カリフォルニア州にて、伊藤慎一がウイングスーツ世界最長飛行の自己記録を更新。高度32,000ft (9,754m) から降下し、23.1kmを2時間5分22秒で飛行した[8]。同時に、ウイングスーツでの最高水平速度世界記録363km/hも達成する[9]。
2012年5月26日には、ウイングスーツ水平飛行距離26.9km[10]。総合飛行距離28.7kmを飛行し自己記録をさらに更新、通算5回の世界記録を達成する。
[11]。
脚注[編集]
- ^ ウイングスーツ・クロニクル
- ^ BIRDMAN Japan ヒストリー
- ^ ウイングスーツ・フライング(ウイングスーツとは)
- ^ 攻撃型のウイングスーツ『Gryphon』(動画)
- ^ ウイングスーツ・フライング(スクール)
- ^ “極限スポーツ「ウイングスーツフライング」で2人死亡、スイス”. AFPBB News. (2014年3月31日) 2014年3月31日閲覧。
- ^ USPA Records: largest wingsuit formation jump- USPA(米国パラシュート協会)
- ^ Greatest distance flown in a wing suit - ギネス世界記録
- ^ Fastest speed reached in a wing suit - ギネス世界記録
- ^ Greatest distance flown in a wing suit - ギネス世界記録
- ^ Greatest absolute distance flown in a wingsuit - ギネス世界記録
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- BIRDMAN Japan - ウイングスーツのメーカー
- ウイングスーツ・フライング - ウイングスーツ・パイロットの伊藤慎一オフィシャルサイト