イノシトール三リン酸

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イノシトール三リン酸
識別情報
略称 InsP3, IP3
CAS登録番号 85166-31-0
PubChem 55310
特性
化学式 C6H15O15P3
モル質量 420.1 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

イノシトール三リン酸: Inositol trisphosphate, IP3)は、ジアシルグリセロールとともに、細胞シグナル伝達や脂質シグナリングに使われるセカンドメッセンジャーの一つである。イノシトール-1,4,5-三リン酸とも呼ばれる。

ジアシルグリセロールが細胞膜の中に存在するのに対し、IP3は水溶性で、細胞質に拡散する。

IP3は、細胞膜に存在するリン脂質であるホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸ホスホリパーゼCによって加水分解されて生成する。

作用[編集]

IP3小胞体、または筋小胞体の膜にあるIP3受容体に結合、活性化し、カルシウムチャネルを開く。するとCa2+細胞質、または筋形質に放出される[1]

機能[編集]

ヒト[編集]

主な機能は貯蔵細胞小器官からのCa2+の動員と、細胞増殖およびその他の細胞反応の調節である。

平滑筋細胞では、細胞質のCa2+濃度を上昇させることで筋細胞(筋繊維)が収縮する[2]

ショウジョウバエ[編集]

キイロショウジョウバエでは、IP3は眼細胞での光認識の細胞内伝達に利用されている。

ウニ卵[編集]

ウニの遅い多精防止反応はホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸 (PIP2)のセカンドメッセンジャーによって仲介されている。結合受容体の活性化によりホスホリパーゼCを活性化し、卵細胞膜のPIP2を加水分解して、卵細胞の細胞質にIP3を放出する。IP3は小胞体に拡散し、カルシウムチャネルを開く。

脚注[編集]

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  1. ^ Ferris CD, Snyder SH. IP3 receptors. Ligand-activated calcium channels in multiple forms. Adv Second Messenger Phosphoprotein Res. 1992;26:95-107. PMID 1329896
  2. ^ Somlyo AP, Somlyo AV. Signal transduction and regulation in smooth muscle. Nature. 1994 Nov 17;372(6503):231-6. PMID 7969467

関連項目[編集]

外部リンク[編集]