アントレプレナー教育
アントレプレナー教育(Entrepreneurship Education)とは、起業家が持つ起業家精神(アントレプレナーシップ)を知る、即ち起業家が経験されてきた課題発見・創造的思考といったエッセンスに触れることで、課題発見力の向上や創造的思考の育成を目的とした教育コンテンツである。アントレプレナー教育では、更に起業家の共通した想いである「社会への貢献」を授業に落とし込むことで、単に教室での学びにとどまらず、社会参画の視点や生活の場である社会への意識を高めることもできる。アントレプレナー教育は単に「企業をつくる方法」を教えるのではなく、起業家の経験や実践から学び、変化の激しい社会を自ら切り拓くための思考力や行動力を育てることが目的である。
アントレプレナー教育は、起業家精神涵養教育(きぎょうかせいしんかんようきょういく)ともいう。
アントレプレナー教育のはじまり
[編集]現在、次世代の経済産業界を担う人材育成を目的として、主に大学などの高等教育においてアントレプレナー教育(起業家教育)が取り上げられるようになった。近年の学校教育においては、起業家の生き方や精神(アントレプレナーシップ)を様々な体験から学ぶことで、若者が社会における自分のあり方や困難に対峙する力を学ぶという、広義の目的で説明されることが教育現場では主流となっている。
アントレプレナー教育の具体的な授業は、その研究がなされた京都教育大学附属京都中学校での実践研究が発端である。 下記参考文献『小・中学校キャリア教育を支えるアントレプレナー教育』(日本標準、2006年12月)によれば、京都リサーチパーク(KRP、下京区)の起業家教育センター原田紀久子氏が、通産省(当時)が出した起業家教育に興味を持ち、実践研究の場として京都教育大学附属京都中学校に持ち込まれ、上西好悦氏とともに教育コンテンツとして構築されたものとある。
『小・中学校キャリア教育を支えるアントレプレナー教育』では、以下のような構成で、小・中学生を対象とした教育プログラムの具体例や授業づくりの方法が示されている。
第1章 アントレプレナー教育とは何か — その理念と目的を明示
第2章 どんな授業をつくるか — 付けたい力に応じた授業設計、小学校での適用可能性、生徒の自己評価の方法など
第3章 中学校における実践例 —「身近なものの価値を考える」「食べ物屋さんになろう」「地域貢献(例:地元名産を売る)プロジェクト」など、実際の活動を通じた授業案の紹介。「コンセプト・メイキング」「価格を考える」「商品を売る/宣伝する」といった体験型授業。
『小・中学校キャリア教育を支えるアントレプレナー教育』では、教室の中だけでなく、社会や地域とつなげながら、子どもたちに“生きる力”を身につけさせる授業を目指しており、アントレプレナー教育をキャリア教育の一環として捉える実践を提案している。
学校教育上の目標
[編集]- 積極的に夢や理想を語り合い、その実現に向けての自分のありかたを考える。
- 自己の発想や工夫を、積極的に社会への貢献や理想とする社会の実現に生かそうとする意欲を育てる。
- 児童生徒が自己について発見し、さらなる自己開発のきっかけを促す。
- 「社会」を意識する活動を通して、学校と社会の橋渡しを行う。
- 発想や工夫する力を高め、自己の持つ理想を実現することの喜びを実感させる。
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- 上西好悦『小・中学校キャリア教育を支えるアントレプレナー教育』日本標準、2006年12月。ISBN 4-8208-0280-1