アムール・ヤクーツク鉄道

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アムール・ヤクーツク鉄道(アムール・ヤクーツクてつどう、ロシア語: Амуро-Якутская магистраль)は、ロシア連邦東部のシベリア地方にある鉄道路線アムール州スコボロディノからヤクーツクまでを結ぶ。1917年に構想があり、2013年現在レナ川のヤクーツク対岸まで完成している。アヤム鉄道とも。

沿線概況[編集]

アムール・ヤクーツク鉄道
km 駅名
DST
0 スコボロディノ
STR
ABZgl
レイノヴォ方面への分岐
hKRZWae
ボリジョイ・ネヴェル川
HST
28 ゴレールィ
ABZgl+l
シベリア鉄道チタ方面への分岐
hKRZWae
クレストフカ川
HST
49 シュトルム
hKRZWae
マーリ・オリドイ川
HST
79 ムルティギト
hKRZWae
ソフ川
HST
96 プリカン
hKRZWae
マーリ・オリドイ川
hKRZWae
プリカン川
BHF
112 アノソフスカヤ
HST
124 シリプ
hKRZWae
ハユキト川
HST
142 ザポロトノエ
hKRZWae
オノナチ川
hKRZWae
ティンダ川
BHF
163 ベレニカヤ
hKRZWae
ティンダ川
HST
190 セチ
ABZgl+l
バイカル・アムール鉄道セヴェロバイカリスク方面への分岐
DST
209 ティンダ
STR
BHF
220 シャフタウム
hKRZWae
ギリュイ川
HST
236 ベストゥジェヴォ
ABZgr+r
バイカル・アムール鉄道コムソモリスク・ナ・アムーレ方面への分岐
hKRZWae
ギリュイ川ロシア語版
HST
256 ギリュイ
hKRZWae
ソボリニ川
hKRZWae
モゴド川
BHF
281 モゴド
hKRZWae
モゴド川
HST
301 リハルド・ゾルゲ
HST
317 ヤクツキー
STR+GRZq
アムール州/サハ共和国
BHF
330 ナゴルニ
hKRZWae
チムプトン川ロシア語版
HST
350 アヤム
TUNNEL1
350-351 ナゴルノ・トンネル
BHF
372 ゾロチンカ
hKRZWae
イレングラ川
HST
389 オクルダン
hKRZWae
ゴービラ川
HST
414 オボルジョ
DST
430 ベルカキト
BHF
439 ネリュングリ旅客
STR
DST
448 ネリュングリ貨物
hKRZWae
チュリマン川
HST
459 デニソフスキー
hKRZWae
チュリマン川ロシア語版
BHF
470 チュリマン
hKRZWae
チュリマン川
HST
484 チュリバス
HST
495 チェニーストィ
HST
508 チュルマカン
HST
525 ハティミ
hKRZWae
ハチェイマ川
HST
544 オゴニエル
hKRZWae
エルゲ川
HST
558 チト
hKRZWae
チト川
HST
571 ヤンギ
HST
588 タイオシュナヤ
HST
615 ヴァシリフカ
HST
629 ニコルキンキー
hKRZWae
ボリジョイ・ニムンル川
BHF
648 ボリジョイ・ニムンル
hKRZWae
ボリジョイ・コクチ川
HST
670 セフカ
HST
693 セリグダル
HST
709 コサレフスキー(レベジニ)
DST
726 アルダン
STR
hKRZWae
ボリジョイ・グラナフ川
BHF
756 クラナ(ニジュニ・クラナ)
hKRZWae
ヤコクト川
BHF
トンモト
STR
hKRZWae
アルダン川
HST
860 バロートヌィ
BHF
912 アムガ(ヴェルフナヤ・アムガ
STR
hKRZWae
アムガ川
HST
963 カルビガン
hKRZWae
ウル川
HST
993 ウル
BHF
1013 キュルギリア
HST
1092 ハイニェルダフ
hKRZWae
ムンドゥルチュ川
BHF
1116 アリン
hKRZWae
ルーテンゲ川
HST
1130 ルートンカ
BHF
1167 キルダン
STR
hKRZWae
ルーテンゲ川
hKRZWae
メンダ川
HST
1184 メンダ
HST
1202 ラッソーロダ
hKRZWae
タムチャ川
BHF
1224 プラバヤ・レナロシア語版
eABZgl+l exSTR+r
STR exhKRZWae
レナ川
STR exSTR
STR exHST
1240 タバガ
STR exHST
1259 キュルドゥギレフ
STR exHST
1271 チャビダ
STR exDST
1306 ヤクーツク貨物
STR exBHF
1315 ヤクーツク旅客
STR exKDSTe
1319 河港
STR
HST
1226 ハプタガイ
DST
1239 ニジュニー・ベスチャ
exLSTR
exHST
チュラプチャ
exHST
ミギノ-アルダン
exHST
キュブミ
exSTR+GRZq
サハ共和国/マガダン州
exHST
ススマン
exHST
オロトゥカーン
exHST
アトカ
exHST
パラトカ
exHST
ソコルロシア語版
exKBHFe
マガダン

シベリア鉄道スコボロディノ駅を起点とし、バモフスカヤ駅手前でシベリア鉄道から別れ、その後ティンダ駅でバイカル・アムール鉄道に合流、ベストゥジェヴォ駅で別れ北進し、サハ共和国に入ると1kmのトンネルを通ったのち石炭の産出地区を経てネリュングリに到達する。その後はアルダン高原を横断してアルダンに着き、現在この路線では最長の橋でアルダン川を越えて、トンモトの旅客駅と貨物ヤードを経てレナ川に着き、ブラバヤ・レナ駅で二本に分かれる。一本はレナ川を越えてヤクーツクに到達するルートであり、もう一方はヤクーツクの対岸のニジュニ・ビシチャなどを経てオホーツク海沿岸のマガダンまで到達するルートである。しかし2014年現在、レナ川を越えるルートは橋が未完成であり、もう片方のルートもニジュニ・ビシチャ駅から先が建設中である。

バモフスカヤ駅からティンダ駅間は早期に建設され、1979年に営業を開始し、1984年にはネリュングリまで旅客営業を始めた。この時は非公式な名称として「リトル・バム」と呼ばれた。2004年8月28日にトンモトまで営業を始め、2009年4月にはアムガ川、2011年11月15日にニジュニ・ビシチャへと到達した。レナ川では春から夏にかけ氷を含む強力な雪解け水の洪水があり、さらに橋の長さは3kmを超えるため建設は難航している。橋の代わりにトンネルを掘るという案もある。バイカル・アムール鉄道のティンダ駅からベストゥジェヴォ駅の区間を除き非電化単線であり、永久凍土地帯を通るため線路の建設と維持は複雑となっている。

アルダンから先はロシア鉄道の直営ではなく、サハ当局によって設立された「ヤクート鉄道」によって運営される。2012年初めの時点で同社の資本は50%がロシア鉄道である。

より広い意味では、この鉄道はジャリンダ村のレイノヴォ駅からヤクーツクまでのすべての区間を指すこともある。なぜならこの鉄道には、ただヤクーツクに行くだけではなく、将来的に中国から黒竜江を渡りレイノヴォ駅からレナ川、そこから船で北極海を通りヨーロッパへ向かうという水陸混合の一大物流路の一部としての役割が与えられているからである。

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

関連項目[編集]