アオブダイ

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アオブダイ
Scarus ovifrons.jpg
アオブダイ Scarus ovifrons
分類
: 動物Animalia
: 脊索動物Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱 : 魚上綱 Pisciformes
: 硬骨魚綱 Osteichthyes
: スズキ目 Perciformes
亜目 : ベラ亜目 Labroidei
: ブダイ科 Scaridae
亜科 : アオブダイ亜科 Scarinae
: アオブダイ属 Scarus
: アオブダイ S. ovifrons
学名
Scarus ovifrons
Temminck and Schlegel, 1846
英名
Knobsnout parrotfish

アオブダイ(青武鯛、 Scarus ovifrons )は、スズキ目ベラ亜目ブダイ科の魚。岩礁やサンゴ礁に生息する大型魚で、名のとおりみの強い体色が特徴である。

概要[編集]

体長は最大90cmほど。名のとおり体色は青みが強いが、体の各所に赤褐色、白、黒などの斑点が出るものもいる。成魚は頬に白っぽい斑点が出て、前頭部がこぶのように突き出るが、若魚は頬に斑点がなく、額にこぶもない。

は上下それぞれが融合して、鳥のくちばしのような形状をしている。これは他のアオブダイ亜科の魚にも共通する特徴で、人間の指を噛み切るくらいの顎の力もあるので注意が必要である。

東京湾朝鮮半島以南からフィリピンまでの西太平洋に分布し、浅い海の岩礁やサンゴ礁に生息する。ナンヨウブダイカンムリブダイ (Bolbometopon muricatum) など、他のアオブダイ亜科の魚が熱帯のサンゴ礁に生息するのに対し、アオブダイは温帯域にも生息する。

食性は雑食性で、藻類甲殻類貝類などいろいろなものを食べる。強靭な歯と顎でサンゴの骨格をかじるとされてきたが、これはサンゴではなく、サンゴの枝についた藻類を食べるための行動とみられる。現在のところ、生きたサンゴを餌にするのが確認されたのはアオブダイに近縁のカンムリブダイだけである。

昼間に活動し、夜は岩陰などで眠る。眠る際は口から粘液を出して、自分を覆う薄い透明の「寝袋」を作り、その中で眠る行動が知られている。

釣りなどで漁獲され、食用になるが、食中毒による死亡例もあり注意が必要である。アオブダイを狙って釣る人は少なく、イシダイメジナの釣りで混じって釣り上がり、「外道」として扱われることが多い。

また、特徴的な魚だけに、古来から各地方独特の方言呼称もある。

食中毒例[編集]

日本では1953年以降、5人のアオブダイによる食中毒での死亡例がある[1]。アオブダイはスナギンチャクを捕食するためパリトキシンという強力な成分を蓄えており、内臓を食べてはいけないとされている。また、フグ毒で知られるテトロドトキシンが内臓から検出された事例もある。 なお、パリトキシンは加熱塩蔵によっては分解されない。

  • 1983年に三重県で2人が食中毒となり、うち1名が死亡[2]
  • 1989年に宮崎県で家族6名がアオブダイを天ぷらにして食べたところ、3名が食中毒を発症。死者は出なかったが、うち2名は1週間ほどの入院を要した[2]
  • 2012年に長崎県で家族3名がアオブダイを煮付けや刺身にして食べたところ、食中毒を発症。うち1名が死亡した[3]

脚注[編集]

  1. ^ アオブダイを漁で取って食べた男性死亡…長崎 YOMIURI ONLINE(読売新聞)、2012年4月7日
  2. ^ a b 雄鶏社『死に至るモノ百科』柳田岩男・著、ISBN4-277-88075-4
  3. ^ アオブダイ食べた男性中毒死 漁で取り自宅で調理 長崎 朝日新聞デジタル、2012年4月7日

外部リンク[編集]