「萼」の版間の差分

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'''萼'''(がく、蕚は[[異体字]])とは、植物用語の一つで、[[花冠]](花びら、またはその集まり)の外側の部分をいう。ひらがな書きで「がく」とすることも多い。萼の個々の部分を'''萼片'''という。
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多くの場合、花弁(「花びら」のこと)の付け根(最外側)にある緑色の小さい葉のようなものが萼である。萼は花全体を支える役割を持ち、また、果実に残り付いている萼は、'''蔕(へた)'''と呼ばれることがある。
また、[[果実]]に残り付いている萼は、'''蔕'''(へた)と呼ばれることがある。


== 花被 ==
== 花被 ==
萼と花冠が同じように見える場合は、ひとまとめにして'''花被'''(かひ)ということが多い。花被を萼と花冠で区別する場合は、萼を'''外花被'''、花冠を'''内花被'''という。また、外花被、内花被のひとつひとつを、それぞれ'''外花被片'''、'''内花被片'''という。
萼と花冠が同じように見える場合は、ひとまとめにして'''花被'''(かひ)ということが多い。花被を萼と花冠で区別する場合は、萼を'''外花被'''、花冠を'''内花被'''という。また、外花被、内花被のひとつひとつを、それぞれ'''外花被片'''、'''内花被片'''という。ただし、萼と花冠が一見して区別できる場合でも、ひとまとめにして花被ということもある


ただし、萼と花冠が一見して区別できる場合でも、ひとまとめにして花被ということもある。
*ユリ
*:下の写真では、一見すると6枚の花弁に見える。本当は手前に見える3枚が内花被片、奥の3枚が外花被片。
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Image:LiliumAuratumVVirginaleBluete2Rework.jpg|ユリ([[ヤマユリ]]
ファイル:LiliumAuratumVVirginaleBluete2Rework.jpg|[[ヤマユリ]]。一見すると6枚の花弁に見える。本当は手前に見える3枚が内花被片、奥の3枚が外花被片。
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== まぎらわしい萼 ==
== まぎらわしい萼 ==
植物によっては白や紫といった色が付いていたり花弁のような形をしているものもある。また、萼のようであるが、正しくは[[苞]](ほう)のこともある。
植物によっては、[[]][[]]といった色が付いていたり花弁のような形をしているものもある。また、萼のようであるが、正しくは[[苞]]のこともある。

*[[オシロイバナ]]
*:下の写真で白い花弁のような部分が萼、白い部分の付け根の萼ようなものが苞。本物の花弁は存在しない。
*[[クレマチス]]
*:下の写真で花弁のような部分が萼。本物の花弁は存在しない。
*[[キクザキイチゲ]]
*:青紫色の花弁のような部分が萼。本物の花弁は存在しない。
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Image:Mirabilis jalapa0.jpg|オシロイバナ
ファイル:Mirabilis jalapa0.jpg|[[オシロイバナ]]。白い花弁のような部分が萼、白い部分の付け根の萼ようなものが苞。本物の花弁は存在しない。
Image:W kurematisu2051.jpg|クレマチス
ファイル:W kurematisu2051.jpg|[[クレマチス]]。花弁のような部分が萼。本物の花弁は存在しない。
Image:Anemone pseudoaltaica in Mount Kyo 2002-05-02.jpg|キクザキイチゲ
ファイル:Anemone pseudoaltaica in Mount Kyo 2002-05-02.jpg|[[キクザキイチゲ]]。青紫色の花弁のような部分が萼。本物の花弁は存在しない。
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== 脚注 ==
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<!-- == 参考文献 == -->

== 関連項目 ==
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* [[花冠]]
* [[苞]]

<!-- == 外部リンク == -->

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[[Category:植物学]]
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[[Category:植物形態学]]
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2012年5月10日 (木) 10:09時点における版

花弁 (petal) と萼片 (sepal)

(がく、蕚は異体字: calyx[1])とは、植物用語の一つで、花冠(花弁、またはその集まり)の外側の部分をいう。ひらがな書きで「がく」とすることも多い。萼の個々の部分を萼片(がくへん、: sepal[1])という。多くの場合、花弁(「花びら」のこと)の付け根(最外側)にある緑色の小さいのようなものが萼である。萼は全体を支える役割を持つ。

また、果実に残り付いている萼は、(へた)と呼ばれることがある。

花被

萼と花冠が同じように見える場合は、ひとまとめにして花被(かひ)ということが多い。花被を萼と花冠で区別する場合は、萼を外花被、花冠を内花被という。また、外花被、内花被のひとつひとつを、それぞれ外花被片内花被片という。ただし、萼と花冠が一見して区別できる場合でも、ひとまとめにして花被ということもある。

まぎらわしい萼

植物によっては、といった色が付いていたり、花弁のような形をしているものもある。また、萼のようであるが、正しくはのこともある。

脚注

  1. ^ a b 文部省日本植物学会編『学術用語集 植物学編』(増訂版)丸善、1990年。ISBN 4-621-03376-Xhttp://sciterm.nii.ac.jp/cgi-bin/reference.cgi 

関連項目