「スコリア丘」の版間の差分

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== 概要 ==
'''スコリア丘'''(すこりあきゅう)は[[玄武岩]][[安山岩]]の溶岩による噴火活動により[[スコリア]]が放出され、[[火口]]の周りに積もり丘を形成したものを指す。
スコリア丘は主に玄武岩から安山岩の溶岩による活動で、そのほとんどは一度の活動によってできた[[単成火山]]で規模は小さい。形成される場所は、[[複成火山]][[側火山]][[独立単成火山群]]の一部として形成されることが多い。また、複成火山の[[山頂]]火口内に一度の噴火で形成され、その後の噴火や[[陥没]]により非常に短期間で消滅こともある(例えば、[[伊豆大島]]の[[三原山]]の[[三原新山]]など)。


スコリア丘の形成中に大量の[[マグマ]]が地下から噴出すると、噴出した溶岩はガサガサのスコリア丘より[[密度]]が大きいのでスコリア丘と基盤の間から染み出るように流出する。そうすると、[[溶岩流]]は上にのっているスコリア丘を破壊しながら流下する。これによりスコリア丘は[[馬蹄形]](U字型)の形状となる。溶岩流の上にはスコリアの残骸がのっていてこれをスコリアラフトという。
== スコリア丘の形態 ==
スコリア丘は主に玄武岩安山岩の溶岩による活動で、そのほとんどは一度の活動によってできた[[単成火山]]で規模は小さい。形成される場所は複成火山の側火山や独立単成火山群の一部として形成されることが多い。また、[[複成火山]]の山頂火口内に一度の噴火で形成され、その後の噴火や陥没により非常に短期間で消滅こともある(例[[伊豆大島]]の[[三原山]]の三原新山など)。


また、形成される期間によっても形が変わってくる。短期間で形成されたスコリア丘は、[[溶結]]して[[お供え餅]](数時間以内に形成されたものに限る)のようになったり不安定な形をしていることが多い。長期間(数月単位)で形成されたものは、長い間を掛けて不安定な箇所をスコリアで修正するので、大きく非常に安定した[[斜角]]をしている(例えば、[[阿蘇山]]の[[米塚]]・[[富士山]]の[[大室山]]
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== 脚注 ==
また、形成される期間によっても形が変わってくる。短期間で形成されたスコリア丘は溶結してお供え餅(数時間以内に形成されたものに限る)のようになったり不安定な形をしていることが多い。長期間(数月単位)で形成されたものは、長い間を掛けて不安定な箇所をスコリアで修正するので、大きく非常に安定した斜角をしている(例[[阿蘇山]]の米塚・[[富士山]]の大室山)
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2012年2月28日 (火) 16:20時点における版

阿蘇山の米塚
伊豆東部火山群大室山

スコリア丘(スコリアきゅう、: scoria cone[1])は、玄武岩から安山岩溶岩による噴火活動により、スコリアが放出され、火口の周りに積もり、を形成したものを指す。

概要

スコリア丘は、主に玄武岩から安山岩の溶岩による活動で、そのほとんどは一度の活動によってできた単成火山で、規模は小さい。形成される場所は、複成火山側火山独立単成火山群の一部として形成されることが多い。また、複成火山の山頂火口内に一度の噴火で形成され、その後の噴火や陥没により、非常に短期間で消滅こともある(例えば、伊豆大島三原山三原新山など)。

スコリア丘の形成中に大量のマグマが地下から噴出すると、噴出した溶岩はガサガサのスコリア丘より密度が大きいので、スコリア丘と基盤の間から染み出るように流出する。そうすると、溶岩流は上にのっているスコリア丘を破壊しながら流下する。これによりスコリア丘は馬蹄形(U字型)の形状となる。溶岩流の上にはスコリアの残骸がのっていて、これをスコリアラフトという。

また、形成される期間によっても形が変わってくる。短期間で形成されたスコリア丘は、溶結してお供え餅(数時間以内に形成されたものに限る)のようになったり、不安定な形をしていることが多い。長期間(数か月単位)で形成されたものは、長い間を掛けて不安定な箇所をスコリアで修正するので、大きく非常に安定した斜角をしている(例えば、阿蘇山米塚富士山大室山)。

脚注

  1. ^ 文部省編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年、142頁。ISBN 4-8181-8401-2http://sciterm.nii.ac.jp/cgi-bin/reference.cgi 

関連項目

外部リンク