「掃除用ロボット」の版間の差分

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== 概要 ==
== 概要 ==
主に家庭内での洋式の部屋の床面清掃を行うことを想定しており、自律的に動く点が従来の電気[[掃除機]]と異なる。薄い円盤型の本体内<ref>本体の外形は、ほとんどが直径25cmから38cm程度の薄い円盤型であるが、直径約16.5cm(6.5インチ)、高さ約9cm(3.5インチ)という製品もある。</ref>に充電式の電源を内蔵しておりコードレスである。本体の下面にブラシが、側面にはセンサーを備えることで、家具や壁面を衝突するかまたは避けるように床面を自律走行しながらサイドブラシでゴミを本体下面に集めて塵埃を吸引・収集してゆく。[[タイマー]]によって動作制御され、自動またはボタン操作で起動して一定時間床面の清掃を行うと自ら充電器内に自走して戻り、次回の起動に備えて充電を行うようになっている。
主に家庭やオフィスビルなどで床面清掃を行うことを想定しており、自律的に動く点が従来の電気[[掃除機]]と異なる。薄い円盤型の本体内<ref>本体の外形は、ほとんどが直径25cmから38cm程度の薄い円盤型であるが、直径約16.5cm(6.5インチ)、高さ約9cm(3.5インチ)という製品もある。</ref>に充電式の電源を内蔵しておりコードレスである。本体の下面にブラシが、側面にはセンサーを備えることで、家具や壁面を衝突するかは避けるように床面を自律走行しながらサイドブラシでゴミを本体下面に集めて塵埃を吸引・収集してゆく。[[タイマー]]によって動作制御され、自動またはボタン操作で起動して一定時間床面の清掃を行うと自ら充電器内に自走して戻り、次回の起動に備えて充電を行うようになっている。


価格に応じて機能が異なり、側面センサーに障害物が当たることで方向転換するようになっていて、清掃ルートも認識せずに床面をただランダムに走行するだけの比較的安価なものから、[[赤外線]]などを用いた非接触式センサーによって障害物を回避しながら、既に走行したルートと自らの位置を認識することで同一箇所の清掃をなるべく避ける高性能な機種がある。ただし、いずれの機種でも、階段の縁のような段差はセンサーによって認識することで落下することはない。機種によってはモップを備えることで水拭きや[[ワックス]]掛けもできる。
価格に応じて機能が異なり、側面センサーに障害物が当たることで方向転換するようになっていて、清掃ルートも認識せずに床面をただランダムに走行するだけの比較的安価なものから、[[赤外線]]などを用いた非接触式センサーによって障害物を回避しながら、既に走行したルートと自らの位置を認識することで同一箇所の清掃をなるべく避ける高性能な機種がある。ただし、いずれの機種でも、階段の縁のような段差はセンサーによって認識することで落下することはない。機種によってはモップを備えることで水拭きや[[ワックス]]掛けもできる。


価格帯は4万円から8万円程度であり、9万円前後の高級機種が新たに販売予定されている<ref>記述したものとは別に、より低価格で機能も限定された中国製の2万円の機種も存在した。</ref>。
価格帯は4万円から8万円程度であり、9万円前後の高級機種が新たに販売予定されている<ref>記述したものとは別に、より低価格で機能も限定された2万円程度の機種も存在する。</ref>。

== 日本におけるロボット掃除機 ==
日本市場は、[[東芝]]が当時提携関係にあった[[スウェーデン]]・[[エレクトロラックス]]より2001年11月から欧州各国で売り出されてりた「トリノバイト」を、2002年10月にOEM販売したが最初である。続いて[[アメリカ合衆国|米]][[iRobot]]社が2002年9月から米国で売り出していた「[[ルンバ (掃除機)|ルンバ]]」(Roomba) が2004年から日本市場にも投入され<ref>米iROBOT社の「[[ルンバ (掃除機)|ルンバ]]は、全世界で累計500万台以上、日本でも35万台を販売したとされる。2012年度の日本での販売台数は25万台を目指している。</ref><ref>[http://japan.cnet.com/news/service/35007525/ ロボット掃除機「ルンバ 700 シリーズ」が登場--よりくまなく掃除が可能に] -cnet japan (2011年9月14日掲載、2011年9月26日閲覧) </ref>。日本企業では200712月に[[バンダイ]]の子会社ある[[シ・シ・ピー]](CCP) 社「SO-Zi プレミアム」の販売開始し、2011年9月にはその機能向上版の「ラクリート」が代替機種として発売された。又2009年11月ツカモトエイム社がロボットクリーナー「AIM-ROBO1」を販売開始している<ref>日本国内のメーカーからは、バンダイの子会社であるシー・シー・ピー(CCP) 社の「ラクリート」(LAQULITO) が9月9日に販売を開始しており、東芝ホームアプライアンス社の「スマーボ」が10月に販売されている。</ref><ref>シー・シー・ピー(CCP) 社の「ラクリート」の前に「SO-Zi プレミアム」という低価格機種を販売しており、機能向上版のラクリートが代替機種となる。</ref><ref>「日経産業新聞」、2011年9月25日号</ref>。

又製品化には至らなかったものの、1997年には[[ミノルタ]]社が[[病院]]内での床[[消毒]]作業や[[ワックス]]掛けを行う「ロボサニタン」を発表している<ref>http://j-net21.smrj.go.jp/develop/robot/entry/20071009-01.html</ref>。家庭用ではなく業務用ロボット清掃機であったが、平成不況の煽りを受け製品化は中止された。しかしその技術は[[フィグラ]]社の多目的清掃ロボット「フィグラ・アイ」に引き継がれている。

同じく業務用のロボット清掃システムを、[[富士重工業]]と[[住友商事]]が2001年に実用化に成功し、2006年には清掃性能や安全性、コストメリットが認められ「今年のロボット大賞2006 経済産業大臣賞」を受賞している<ref>http://www.sumitomocorp.co.jp/news/2009/20091125_091555.html</ref>。

他にも、製品化はされなかったが、[[パナソニック]]がルンバより早い2002年3月、日立が2003年5月にロボット掃除機のデモ機を発表している。<ref>http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0325/pana.htm</ref><ref>http://news.mynavi.jp/news/2003/05/29/17.html</ref> 。パナソニックの試作機は世界で初めて安全系および集塵系センサを搭載した一般家庭向けの自動掃除ロボットだった。

*年表
**1997年3月 ミノルタ「ロボサニタン」発表。
**2001年4月 富士重工業と住友商事 「ロボットによるビルの清掃システム」実用化に成功。晴海トリトンスクエアに導入。
**2001年11月 エレクトラックス「トリノバイト」欧州各国で発売、日本では2002年10月に東芝がOEM販売。
**2002年3月 パナソニック 試作機発表。
**2002年9月 アイロボット「ルンバ」販売開始。
**2003年5月 日立 試作機発表。
**2004年 アイロボット「ルンバ」日本で販売開始。
**2007年12月 バンダイ子会社CCP「SO-Zi」販売開始。
**2009年 富士重工業と住友商事 「オフィスエリア清掃ロボットシステム」実用化。
**2011年9月 CCP「ラクリート」販売開始。
**2011年10月 東芝、サムスン製ロボット掃除機を「スマーボ」としてOEM販売開始。
**2012年3月 LG「HOM-BOT2.0」販売開始。


日本市場は、米iROBOT社の「[[ルンバ (掃除機)|ルンバ]]」(Roomba) が2004年から販売開始され<ref>米iROBOT社の「[[ルンバ (掃除機)|ルンバ]]は、全世界で累計500万台以上、日本でも35万台を販売したとされる。2012年度の日本での販売台数は25万台を目指している。</ref><ref>[http://japan.cnet.com/news/service/35007525/ ロボット掃除機「ルンバ 700 シリーズ」が登場--よりくまなく掃除が可能に] -cnet japan (2011年9月14日掲載、2011年9月26日閲覧) </ref>、2011現在は国内メからも同様の機種が販売開始されるようなっている<ref>日本国内のメーカーからは、バンダイの子会社であるシー・シー・ピー(CCP) 社の「ラクリート」(LAQULITO) が9月9日に販売を開始しており、東芝ホームアプライアンス社の「スマーボ」が10月に販売予定となっている。</ref><ref>シー・シー・ピー(CCP) 社の「ラクリート」の前に「SO-Zi プレミアム」という低価格機種を販売しており、機能向上版のラクリートが代替機種となる。</ref><ref>「日経産業新聞」、2011年9月25日号</ref>。


== その他 ==
== その他 ==

2012年2月22日 (水) 09:41時点における版

スウェーデンのエレクトロラックス社の"Trilobite 2.0"

掃除用ロボット(そうじようロボット)/自動掃除ロボット(じどうそうじロボット)とは、自ら自動的に動いて掃除をするロボットである。ロボット型掃除機などとも呼ばれる。

概要

主に家庭やオフィスビル内などで床面清掃を行うことを想定しており、自律的に動く点が従来の電気掃除機と異なる。薄い円盤型の本体内[1]に充電式の電源を内蔵しておりコードレスである。本体の下面にブラシが、側面にはセンサーを備えることで、家具や壁面を衝突するか又は避けるように床面を自律走行しながら、サイドブラシでゴミを本体下面に集めて塵埃を吸引・収集してゆく。タイマーによって動作制御され、自動またはボタン操作で起動して一定時間床面の清掃を行うと自ら充電器内に自走して戻り、次回の起動に備えて充電を行うようになっている。

価格に応じて機能が異なり、側面センサーに障害物が当たることで方向転換するようになっていて、清掃ルートも認識せずに床面をただランダムに走行するだけの比較的安価なものから、赤外線などを用いた非接触式センサーによって障害物を回避しながら、既に走行したルートと自らの位置を認識することで同一箇所の清掃をなるべく避ける高性能な機種がある。ただし、いずれの機種でも、階段の縁のような段差はセンサーによって認識することで落下することはない。機種によってはモップを備えることで水拭きやワックス掛けもできる。

価格帯は4万円から8万円程度であり、9万円前後の高級機種が新たに販売予定されている[2]

日本におけるロボット掃除機

日本市場では、東芝が当時提携関係にあったスウェーデンエレクトロラックス社より2001年11月から欧州各国で売り出されてりた「トリノバイト」を、2002年10月にOEM販売したのが最初である。続いてiRobot社が2002年9月から米国で売り出していた「ルンバ」(Roomba) が、2004年から日本市場にも投入された[3][4]。日本企業では、2007年12月にバンダイの子会社であるシー・シー・ピー(CCP) 社が「SO-Zi プレミアム」の販売を開始し、2011年9月にはその機能向上版の「ラクリート」が代替機種として発売された。又2009年11月にツカモトエイム社がロボットクリーナー「AIM-ROBO1」を販売開始している[5][6][7]

又製品化には至らなかったものの、1997年にはミノルタ社が病院内での床消毒作業やワックス掛けを行う「ロボサニタン」を発表している[8]。家庭用ではなく業務用ロボット清掃機であったが、平成不況の煽りを受け製品化は中止された。しかしその技術はフィグラ社の多目的清掃ロボット「フィグラ・アイ」に引き継がれている。

同じく業務用のロボット清掃システムを、富士重工業住友商事が2001年に実用化に成功し、2006年には清掃性能や安全性、コストメリットが認められ「今年のロボット大賞2006 経済産業大臣賞」を受賞している[9]

他にも、製品化はされなかったが、パナソニックがルンバより早い2002年3月、日立が2003年5月にロボット掃除機のデモ機を発表している。[10][11] 。パナソニックの試作機は世界で初めて安全系および集塵系センサを搭載した一般家庭向けの自動掃除ロボットだった。

  • 年表
    • 1997年3月 ミノルタ「ロボサニタン」発表。
    • 2001年4月 富士重工業と住友商事 「ロボットによるビルの清掃システム」実用化に成功。晴海トリトンスクエアに導入。
    • 2001年11月 エレクトラックス「トリノバイト」欧州各国で発売、日本では2002年10月に東芝がOEM販売。
    • 2002年3月 パナソニック 試作機発表。
    • 2002年9月 アイロボット「ルンバ」販売開始。
    • 2003年5月 日立 試作機発表。
    • 2004年 アイロボット「ルンバ」日本で販売開始。
    • 2007年12月 バンダイ子会社CCP「SO-Zi」販売開始。
    • 2009年 富士重工業と住友商事 「オフィスエリア清掃ロボットシステム」実用化。
    • 2011年9月 CCP「ラクリート」販売開始。
    • 2011年10月 東芝、サムスン製ロボット掃除機を「スマーボ」としてOEM販売開始。
    • 2012年3月 LG「HOM-BOT2.0」販売開始。


その他

  • エアコンのフィルター掃除用に、内部で移動しながら掃除する装置がある[12]

出典・脚注

  1. ^ 本体の外形は、ほとんどが直径25cmから38cm程度の薄い円盤型であるが、直径約16.5cm(6.5インチ)、高さ約9cm(3.5インチ)という製品もある。
  2. ^ 記述したものとは別に、より低価格で機能も限定された2万円程度の機種も存在する。
  3. ^ 米iROBOT社の「ルンバは、全世界で累計500万台以上、日本でも35万台を販売したとされる。2012年度の日本での販売台数は25万台を目指している。
  4. ^ ロボット掃除機「ルンバ 700 シリーズ」が登場--よりくまなく掃除が可能に -cnet japan (2011年9月14日掲載、2011年9月26日閲覧)
  5. ^ 日本国内のメーカーからは、バンダイの子会社であるシー・シー・ピー(CCP) 社の「ラクリート」(LAQULITO) が9月9日に販売を開始しており、東芝ホームアプライアンス社の「スマーボ」が10月に販売されている。
  6. ^ シー・シー・ピー(CCP) 社の「ラクリート」の前に「SO-Zi プレミアム」という低価格機種を販売しており、機能向上版のラクリートが代替機種となる。
  7. ^ 「日経産業新聞」、2011年9月25日号
  8. ^ http://j-net21.smrj.go.jp/develop/robot/entry/20071009-01.html
  9. ^ http://www.sumitomocorp.co.jp/news/2009/20091125_091555.html
  10. ^ http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0325/pana.htm
  11. ^ http://news.mynavi.jp/news/2003/05/29/17.html
  12. ^ パナソニック製の一部機種では、このようなエアコンのフィルター掃除機能を「フィルターお掃除ロボット」と呼んでいる。

関連項目

参考文献