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*[http://merita.jp/yokohama-sketch/03/ merita.jp/横浜スケッチ] - [[横浜市|横浜]]・[[桜木町]]にある有名なストリートアートを紹介。この場所のストリートアートは、不特定多数の手によって、常に変化している。秀逸な作品がタギングによって汚損されると、翌月辺りには更に別の絵が描かれていたりする。
*[http://merita.jp/yokohama-sketch/03/ merita.jp/横浜スケッチ] - [[横浜市|横浜]]・[[桜木町]]にある有名なストリートアートを紹介。この場所のストリートアートは、不特定多数の手によって、常に変化している。秀逸な作品がタギングによって汚損されると、翌月辺りには更に別の絵が描かれていたりする。
*[http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2008/0809-3.html#wed 「落書きが街を埋め尽くす」](NHK「[[クローズアップ現代]]」2008年9月18日放送分)
*[http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2008/0809-3.html#wed 「落書きが街を埋め尽くす」](NHK「[[クローズアップ現代]]」2008年9月18日放送分)
*[http://asianbeat.com/ja/feature/issue_other/f10071501.html ウェブサイト“asianbeat”内の記事『グラフィティアートの歴史と新たな才能』]


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2010年7月20日 (火) 09:07時点における版

グラフィティ

グラフィティ (graffiti) とはエアロゾールアート (aerosol art) ともいい、スプレーフェルトペンなどを使い、壁などに描かれた絵・文字である。現在ではグラフィティという呼び名の方が定着している。またグラフィティを描く者を、ライター (writer) やペインター (painter) という。

ヒップホップ四大要素の一つで、ヴァンダリズムの一形態である。

歴史

1970年代ニューヨークで、スプレーやフェルトペンなどを使い壁や電車などに落書きをすることから始まった。1980年代に入ってから、ごく少数のグラフィティ行為者が前衛芸術家として持て囃されるようになった。そのようなムーブメントは、米国において以前から存在していたが、初期の有名なタガーtaki183[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。や、キース・ヘリング[1]ジャン・ミッシェル・バスキア[2]。などにより、世に知られることとなった。この米国の落書き文化の源流としてkilroy was hereや、ギャンググラフィティが見てとれる。また、1983年に公開された映画『ワイルド・スタイル』 (Wild Style) によって初めてメディアに通され、世界中に蔓延した。


分類

例外はあるが一般的な分類を挙げる。

  • フェルトペンやスプレーなどの単色を使い、自分のグラフィティ用の名前、クルー(自分の属するグラフィティの集団)、出身地などを書いたものをタグという。タグを打つ、書く行為をタギングという。
  • 1色か2色の色を用い、数分で書き上げた文字をスローアップという。代表的なスローアップのスタイルとして、バブルレターが挙げられる。
  • 2色から、数色を用い、ブロック体などの読みやすいフォントを用いた巨大なグラフィティをブロックバスタという。
  • それに対し多彩な色を用い、時間をかけ、絵や文字などを描いたものをピースという。一般に文字のグラフィティをレター、人物、動物などを描いたものをキャラクターと分類する。
  • 壁一面に、一人から数人のライターがピースを描き、より芸術性を高めたスタイルとしてプロダクションミューラルなどがある。

※タグ、スローアップはグラフィティの中でも特にヴァンダル(公共物破壊)の色が濃いものとされる。

この他にも描かれた場所により、特別な意味を持つ場合がある。

  • 電車などに描かれたものは、トレイン、トレインボムと呼ぶ[3]
  • ビルの屋上などに描かれたものを、ルーフトップと呼ぶ。

社会問題

公園、橋、建物、地下鉄(列車)、窓などに描かれるグラフィティの多くは、所有者に許可を取っていない場合が多く、許可がない場合は器物損壊にあたる犯罪行為である。日本に限らず世界各国で社会問題となっている。

公共施設や公共交通機関だけではなく、古くからのライターにはタブーとされていた個人住宅の壁、商店のシャッターに描かれるものもある。

また、グラフィティ自体を知らなかったり、グラフィティを芸術と認識しない人にとっては単なる落書きと変わらないため、景観保護の観点からライターや施設所有者が近隣住民と対立する場合がある。

暗黙の了解

ライターたちにはいくつかの暗黙の規則がある。

代表的なものは、すでにあるグラフィティの上には、さらに完成度の高い図案を作らなくてはいけない、というものである。このルールにより、グラフィティは美術性を高めていった。しかし、日本においては、いかに完成された作品かではなく、いかに有名なクルーが描いた作品かで決まる場合も多く、雑多な落書きレベルのグラフィティが目に付く。

また、対象は公共施設、交通機関、巨大な建物などを対象とし、個人商店、個人宅には描いてはいけないというものがあったが、近年のライターモラル低下により、守られているとは言えず、許しがたい行為と言える。

対策

上記のルールに着眼して、2005年、落書きで埋め尽くされていた渋谷区宮下公園周辺では、落書きを消した壁面に、先に完成度の高いグラフィティを描き直し、芸術性の低い落書きを減らす試みを実施している。

これに似た試みは全国各地で行われている。ヨーロッパやアメリカ、近年では日本でも、特定の壁面をストリートアーティストやグラフィティのために解放し自由に描いてもらおうという、「リーガル・グラフィティ(合法的な落書き)のための壁面」を用意する自治体や建物所有者が現れるようになった。アーティストには見回りの目を気にしない発表の場を存分に提供し、同時に非合法な落書きを減らし、都市の装飾や観光にも使おうとのアイデアである。これには歓迎する立場と、非合法の落書きを減らすことにはならないと歓迎しない立場がある。

  1. ^ キース・へリングは、無法者のグラフィティ実行者ではない。キース・へリングのグラフィティは、地下鉄の使用されていない広告掲示板に黒い紙を張り、その上にチョークで絵を描くという穏当なものであった。
  2. ^ バスキアが10代で芸術活動を始めるきっかけとしてグラフィティ行為があったのは事実だが、世に認められた作品は「グラフィティをモチーフにした作品」であって、グラフィティそのものではない。
  3. ^ 日本でこれを行うと、前科がつくだけではなく、鉄道会社から多額の損害賠償を請求される。

関連項目

外部リンク