閉道 (位相幾何学)
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数学の特に位相幾何学における閉道(へいどう、英: closed-path)またはループ (loop) は、始点と終点が等しい道を言う[1]。閉道の始点かつ終点となる点を基点 (basepoint) と呼ぶ[2]。
陽に書けば、位相空間 X 内の閉道とは、単位区間 I ≔ [0, 1] から X への連続写像 f で f(0) = f(1) を満たすものである。点付き単位円 S1 は I の 0 と 1 を等化して得られる商位相空間と見なせるから、X 内の閉道を S1 から X への連続写像 f のことと定めてもよい。基点 x を持つ閉道の全体は ΩxX のように書かれる[3]。X 内の閉道全体の成す集合は、コンパクト開位相を入れて X のループ空間 ΩX と呼ばれる一つの位相空間を成す[4]。
やや変更して、適当な実数 |f| > 0 に対して閉区間 [0, |f|] を定義域とする連続写像 f: [0, |f|] → X; f(0) = f(|f|) を X 内のムーアループ (Moore loop) と呼ぶ[5]:44。基点を共有するムーアループの全体は道の合成 (concatenation) に関してモノイドを成す[6]。
複素解析では求長可能な閉道に興味がもたれる。X ≔ ℂ のとき、閉道 γ に対し、γ の巻き数 (winding number) I(γ, z0) が各点 z0 ∈ ℂ ∖ γ([0, 1]) で定義される。これは z0 の周りを γ が何周するかを表す整数であり、 で計算できる。
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- ^ Adams 1978, p. 3.
- ^ Renze, John. "Basepoint". mathworld.wolfram.com (英語).
- ^ loop space - PlanetMath.
- ^ Adams 1978.
- ^ Stedman, Ched E. (2007), Algebra and Algebraic Topology, Nova Publishers, ISBN 9781600211874
- ^ loop, 2. Concatenation in nLab
- Adams, John Frank (1978), Infinite Loop Spaces, Annals of mathematics studies, 90, Princeton University Press, ISBN 9780691082066.
外部リンク
[編集]- Renze, John; Stover, Christopher; Weisstein, Eric W. "Loop". mathworld.wolfram.com (英語).
- loop in nLab
- Definition:Loop (Topology) at ProofWiki
- Voitsekhovskii, M.I. (2001), “Loop (in topology)”, in Hazewinkel, Michiel, Encyclopedia of Mathematics, Springer, ISBN 978-1-55608-010-4