鋼鉄の咆哮ウォーシップコマンダー

鋼鉄の咆哮ウォーシップコマンダー（くろがねのほうこう-）は、マイクロキャビンが開発し、コーエーから2000年に発売された第二次世界大戦期を題材にした海戦アクションゲームで、鋼鉄の咆哮シリーズの第1作である。PS2版も2001年に発売されている。しばしば『1』『WSC1』等と略される（以下、『1』と略記）。ゲームシステムについてはシリーズ項目参照。

ストーリー

1938年、世界の緊張が頂点に達しようとしていた時に提唱された「超兵器」構想。列強各国はこのプランに飛び付き我先にと「超兵器」の開発を開始したが、「超兵器」の完成は世界のパワーバランスを崩し、大きな災いをもたらすのは自明の理であった。それを阻止すべく、憂国の士で構成されたプレイヤー達「第零遊撃部隊」が「超兵器」の完成・配備を阻止すべく各地を転戦することとなる。

登場超兵器

巨大潜水艦レムレース
一般的な潜水艦の5～6倍の艦影をもつ巨大な潜水艦。兵装は魚雷や対艦ミサイルだが、攻撃頻度は低い。最初の超兵器であるためエリアAでは十分に強いが、後半では雑魚よりも弱くなる。終盤になると大幅に強化され、特殊弾頭ミサイルを搭載し、初期型の数倍の耐久力となったものが投入される。

PS2版ではテュランヌス軍太平洋司令官ゴーダが開発したとされている。
超高速巡洋艦ヴィントシュトース
60ノット以上の速度を誇る高速な巡洋艦。兵装は対艦ミサイルや艦砲、ガトリング砲。後半になると小型レーザーを搭載する。魚雷が全く追いつけないほどの高速だが、装甲は薄く攻撃頻度も低い。レムレースと同様に、後半では雑魚よりも弱くなる。

PS2版ではテュランヌス軍大西洋司令官ロゼが開発したとされている。
巨大戦艦荒覇吐
大和型戦艦の3倍ほどの艦影をもつ巨大な戦艦。兵装は艦砲や対艦ミサイル、ガトリング砲。特筆するような兵装はないものの、単純に大艦巨砲主義を突き詰めたような存在であり、攻撃力は侮れない。後半になると怪力線照射装置を搭載し、大幅に耐久力が強化される。

PS2版ではゴーダが開発したとされている。
巨大空母アルウス
非常に巨大なアングルド・デッキ構成の空母。兵装は対艦ミサイル、ガトリング砲。搭載する艦載機は膨大で、レーダーが機影で埋め尽くされるほど。しかしアルウスそのものは純然たる空母であり、さらに速力もないため、艦載機を失うとほとんど何も出来なくなってしまう。

PS2版ではロゼが開発したとされている。作戦司令7において撃沈すると、ロゼが戦死する。
巨大ステルス戦艦マレ・ブラッタ
巨大かつ高速なステルス戦艦。兵装は艦砲と対艦ミサイル、ガトリング砲。タンブルホーム船型に近い船体でレーダーには稀にしか映らない。そのため気付かずに接近し、手痛い初撃を食らってしまうこともある。

PS2版ではプレイヤー側が開発したものをゴーダが強奪したものとされる。
巨大戦艦ナハト・シュトラール
荒覇吐を上回る巨大さを誇る戦艦。兵装は100cm砲と怪力線照射装置、対艦ミサイル、小型レーザー。終盤になるとγレーザーやエレクトロンレーザーも搭載する。光学兵装を搭載する超兵器であり、一般的な艦砲とは比較にならない攻撃力。戦艦クラスでも一発で撃沈されることもある。なぜかステルス性を持ち、これ以降の超兵器は（前半の超兵器の改修型も含めて）多くがステルス扱いとなる。

PS2版ではテュランヌス軍が開発したとされている。撃沈すると、ゴーダが戦死する。
超巨大航空戦艦テュランヌス
アルウスを軽々と上回る広さの飛行甲板を備える航空戦艦。兵装は艦砲、αレーザー、エレクトロンレーザー、対艦ミサイル、小型レーザーなどと多彩。また、多数の艦載機を搭載する。航空戦艦であるためテュランヌスそのものの攻撃力も絶大であり、まさに暴君の名に相応しい。純然たる戦艦ではないためか装甲が薄い。

PS2版ではテュランヌス軍が開発したとされている。敵軍の総帥、アレスが乗っている。撃沈すると、アレスが戦死する。
超巨大航空戦艦ムスペルヘイム
戦艦を空母2隻でサンドイッチにしたような構造を持つ航空戦艦。兵装は艦砲、圧縮プラズマ砲、エレクトロンレーザー、対艦ミサイル、小型レーザーなど。多数の艦載機も搭載。同じ超巨大航空戦艦であるテュランヌスを上回る耐久力を誇る。意外にもステルス性を持たない。

PS2版では裏切ったクルーガーが第二代総帥に就任した、新生テュランヌスの開発とされている。
超巨大戦艦ヴォルケンクラッツァー
プレイヤー側で開発されていた対テュランヌス用の超兵器だったが、目的の戦闘の前に味方の科学者たちによって強奪されたもの。

全ての超兵器を軽く上回る巨大な艦影を誇る戦艦。兵装はレールガン、80cm砲、拡散プラズマ砲、拡散荷電粒子砲、δレーザー、対艦ミサイル、小型レーザーなどと壮絶。全ての80cm砲を最大仰角にすると、まさに摩天楼のようであるとされる。耐久力、攻撃力、全てにおいて今までの超兵器とは比較にならない、究極超兵器。

PS2版ではテュランヌス第二代総帥クルーガーが開発したとされている。撃沈するとクルーガーが戦死する。

PS2版

システム等の根幹は、ほぼWindows版の移植だが、ストーリーには共通点が全く無い。ドック画面での自艦が3D化、作戦中の計器盤のデザイン、特殊任務(おまけステージ)出現条件の簡易化、戦闘画面でフリーカメラ不可、自動偏差射撃のロックオン機能、など変更がされている。

プレイヤーは世界を支配する組織「テュランヌス」に対抗するレジスタンスの艦長として戦っていく。

PS2版の登場人物

主人公
プレイヤーが操作することになる艦の艦長。作戦指令1のオープニングでオペレーターのナギの台詞からレジスタンスに入る前は某国の海軍で輝ける未来が待ち受けていたらしい。超兵器開発には反対の立場にいる。

作戦指令8『最後の審判』において自爆するヴォルケンクラッツァーを止めるために、単身乗り込み行方が分からなくなる。
ナギ
主人公の艦にオペレーターとして配属された女性。主人公に敬意を抱いている。作戦前のブリーフィングではヒントを教えてくれる（例えば、潜水艦が出没する海域では対潜装備を、敵の空襲がある海域では対空兵装を充実してくださいなど）。
クルーガー提督（後に総帥）
作戦指令2から登場。ナギの説明にもあるように、有能だが傲慢であり艦長（主人公）の戦果を妬んでいるようである。主人公の艦と共同で任務にあたることもある。作戦指令3のオープニングでは、テュランヌスに対抗する超兵器開発の責任者であることが明かされる。そして計画に反対した主人公に敵意を抱くようになり、それ以後はかなりの際どい皮肉を聞かされるようになる。

作戦指令5で主人公と共同任務に赴いた際、テュランヌスのゴーダに自身が開発していた超兵器マレ・ブラッタを奪われてしまい、以後その責任をとらされ軍務を解かれることになる。

作戦指令7では開発中の超兵器ヴォルケンクラッツァーを持ち逃げし、同作戦指令内でテュランヌス総帥アレスの戦死以降、新生テュランヌスの総帥に就任する。

北極海の拠点（コードネーム・ニブルヘイム）で究極の超兵器ヴォルケンクラッツァーと共に主人公を待っている。

最終的にはヴォルケンクラッツァーを自爆させた。
アレス
テュランヌス総帥。この世界の暴君。世界各国に従属を要請し多数の超兵器で支配した男。

常にヨーロッパの地中海にいたようだ。作戦指令7の『最終血戦』で超巨大航空戦艦テュランヌスとともに沈む。

因みに音声無し。
ゴーダ
テュランヌス太平洋軍指令。使う兵器は日本、ドイツ製。直属の潜水艦部隊『黒い影』を率いている。部下からも慕われているようで、戦死後も『黒い影』の所属兵の「指令の仇、とらせてもらう！」の通信がある。

潜水艦だけでなく戦艦についてもこだわりを持っているようだ。

超巨大潜水艦レムレース、超巨大戦艦荒覇吐、レジスタンスから奪取したステルス戦艦マレ・ブラッタで主人公と戦い、そして最後の決戦である作戦指令6『光の鉄槌』で超巨大戦艦ナハト・シュトラールとともに沈む。

ロゼとは仲が悪いようだ。
ロゼ
テュランヌス大西洋軍指令。女性。使う兵器はイギリス、アメリカ製。航空戦力の使い手で直属の航空戦隊『告死天使』を率いる。

超高速巡洋艦ヴィントシュトースの撃沈後から主人公に一目置いている。彼女曰く、「レジスタンスの切れ者」。

作戦指令4『雲霞の如く』において超巨大空母アルウスで主人公と勝負する。その後作戦指令7『サン・ビセンテ岬の光』で再びアルウスに乗り、主人公にリターンマッチを挑むが、アルウスと共に沈む。