試製四式七糎噴進砲
試製四式七糎噴進砲 | |
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種類 | 対戦車ロケット弾発射器 |
製造国 |
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設計・製造 | 第一陸軍技術研究所 |
仕様 | |
口径 | 74mm |
銃身長 | 1.5m |
作動方式 | ロケット弾発射機 |
全長 | 1.5m |
重量 | 8.1kg |
発射速度 | - |
最大射程 | 750m |
有効射程 | 100m |
歴史 | |
製造数 | 3500門 |
試製四式七糎噴進砲(しせい4しき7せんちふんしんほう)は、第二次世界大戦末期に大日本帝国陸軍が製造した対戦車ロケット弾発射器。ロケットのロと対戦車弾のタを取ってロタ砲とも呼ばれる。
ドイツのパンツァーシュレックやアメリカのバズーカに類似した携帯式ロケットランチャーではあるが、使用する噴進弾は一般的な翼安定式ではなく、底部にあいた6個の孔から斜め(約30度の角度)に吹き出すロケット噴進による旋動(スピン)安定式で、形状も先端に丸みのある旧型の銃砲弾の弾頭に近い。1943年にドイツから潜水艦によってパンツァーシュレックの図面がもたらされたが、開発は難航し、実戦配備されるのは終戦間際になってからであった。
構造
砲身は全長1500mm、厚さ2mm、内径74.0mm、前方砲身と後方砲身に分解でき、背負い具で携行できる。一人で持ち運ぶことができた。前砲身と後砲身は3個のボルトで結合する。
前砲身の前方左側に照星を溶接してあり、中央付近には砲を支える脚が二つ付いている。これは開閉式で持ち運ぶときには閉じることができる。
後砲身の前端左側に照門、前端下部に簡単な取っ手、下部中央付近に握把(グリップ)、砲尾には、地面との接触で破損するのを防ぐために脚托架が溶接されていた。さらに砲尾の上部には撃発機、弾丸止めがつけられている。
発射時には砲身後端の撃鉄槓桿(撃鉄レバー)を90度起こし、噛み合わせて止める。四式七糎噴進穿孔榴弾を装填して拉縄(発射するための縄)を引くと、撃鉄が撃鉄バネの反発力によって爆管を叩き弾丸を発射する。照準は簡易な固定式で、射程50mと100mの二種が照星と照門に用意されていた。
射撃時には、砲手は顔と目を保護するため防護眼鏡と防焔布をかけた。防焔布は幅1.28mの木綿製で、頭全体と胸にかけて覆える大型のものだった。 脚を起こして砲を置き、装填手と砲手は砲身に対してそれぞれ30度の角度を開いて伏せた。 砲手は砲左側に伏せ、右肩に砲後端を乗せて保持、左手で托環、右手で握把を握り、照準した。握把の前に引き輪がある。これは撃発機から握把の前へと拉縄をのばしてきた終端であり、これを引くと撃発機が作動した。拉縄は砲身につけられた小さな環三カ所を通し、握把の前へ誘導されている。狙う個所は戦車の前面下部である。
弾丸は全長359mm、全備弾量4.08kgだった。この穿孔榴弾は710gの炸薬を爆発させ80mmの鋼板を貫通した。射程100mで命中率は約6割であり、ロケット弾の常として精度は低かった。発射速度は毎分6発だった。
参考文献
- 佐山二郎『大砲入門』光人社NF文庫、2008年。
- 『試製七糎噴進砲説明書』アジア歴史資料センター、A03032210200