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蘇州号碼

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蘇州号碼

蘇州号碼(そしゅうごうま、中国語蘇州碼 Sūzhōu mǎ)とは中国江南地方蘇州で生まれたとされる数字である。算木に由来する。

概要

蘇州号碼は十進記数法の数字であり、かつて中国で商業に使われた。現在は、香港などを除いて、ほとんど使われていない。「蘇州碼子」(スーチョウマーズ)、「花碼」(ホワマー)、「碼子」(マーズ)、「草碼」(ツァオマー)などとも呼ばれる。

1, 2, 3には縦式と横式の二種があり、これらが二つ以上並ぶときは縦式と横式を交互に使う。9は「文」と書かれることもある。

歴史

算木は当初は計算具だけであったが、やがて紙に筆写して記録に残すようになった。南宋の時代にはも書くようになった。また同時期に、筆写の時に画数を減らした新しい算木数字が現れた。これが変化したのが蘇州号碼である。

  0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
算木 縦式
横式
蘇州号碼 縦式  
横式

その後、算用数字として徐々に普及し、帳簿の記録や値段表示などの商業でも欠かせない数字として、主に民国時代まで使われた。

現在はわずかに香港マカオなどの市場での価格表示や、ミニバスの運賃表示に使われている程度でしか見ることができず、アラビア数字に取って代わられている。

単位との組み合わせ

通貨単位と組み合わせた蘇州号碼

先(仙)、毫、元などの通貨単位と組み合わせ書かれる場合、数字が1文字であれば単位の左に書き、2文字以上であれば単位の上に書く。十、百、千、萬などの位は通貨単位の左に書く。数字の位は、下の左端に書かれた位に対応する。

各国における使用

香港の海鮮料理店のアカマダラハタアザハタの単価表示。毎両12元と15元。

香港やマカオでは、現在も使用が続いている。20世紀前半までには、住所の番地表示などにも使用され、郵便物のあて先にも用いられた。香港の茶餐廳で、伝票代わりのメモ用紙に金額を書く場合にも用いられる場合がある。

台湾では台湾語で「菁仔碼」(チェーアベー、チーアマー)と呼ばれて使用された。「菁仔」はビンロウを意味する。

日本でも20世紀の塗装流通などの業界で、数字表示の暗号として用いられたことがある。

琉球王国の一部では「蘇州碼」(すうちうま)と称する、商業用途の数字が用いられた時期があるが、蘇州号碼とは別のもので、字体の共通性はない。また、与那国島カイダー字とも共通性はない。

電算化

中国のコンピュータ用文字セットには採用されている。Unicode では、U+3021 から U+3029 に 1 から 9 までの基本字が割り当てられている。「十」、「百」、「千」、「萬」など、桁を示す字は漢数字を使用する。

ただし、10、20、30 については漢数字の「」、「」、「」以外に U+3038 から U+303A に同様の文字のコードが別途割り当てられている。

州号碼 の Unicode
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 20 30
蘇州号碼
Unicode
(十六進)
3021 3022 3023 3024 3025 3026 3027 3028 3029 3038 3039 303A

参考文献

  • 江川金五、『かなつき廣東語會話』、大阪屋號書店、1939年、東京

外部リンク

Windows用蘇州号碼-アラビア数字変換ソフト(香港・資訊坊科技有限公司作成)