草鹿外吉
草鹿 外吉(くさか そときち、1928年8月28日 - 1993年7月25日)は、ロシア文学研究者、詩人、小説家である。
生涯
神奈川県鎌倉市に生まれる。父は海軍兵学校校長をつとめた草鹿任一であり、草鹿龍之介も親戚にあたるという海軍一家に育ち、湘南中学校から1945年海軍兵学校に入学する(77期)も、まもなく終戦を迎え、復員する。
復員後は、横浜工業専門学校を卒業後、早稲田大学に編入学して、ロシア文学を学ぶ。その後、早稲田大学や中央労働学院などで教えながら、日本福祉大学の教授となり、副学長もつとめた。
また、詩人としては〈詩人会議〉の常任運営委員もつとめ、詩集も刊行している。
作品
アレクサンドル・プーシキンを中心とした19世紀文学と、エフゲニー・エフトゥシェンコなどの同時代の詩人を中心に研究し、その方面の著書・訳書も多い。
また、1980年代には、みずからの海軍兵学校時代と、復員後の時期を題材にした『灰色の海』『海よさらば』の連作長編を書き、多喜二・百合子賞を受賞した。
主な著作
- 『草鹿外吉全詩集』 思潮社、1999年。
- 『プーシキン 愛と抵抗の詩人』 新日本出版社、1989年(新日本新書)。
- 『灰色の海』 新日本出版社、1982年。
- 『海よさらば』 新日本出版社、1988年。
訳書
- エフゲニー・エフトゥシェンコ 『エフトウシェンコ詩集』 飯塚書店、1962年。
- ウラジーミル・マヤコフスキー 『マヤコフスキー詩集』 飯塚書店、1968年。
- ミハイル・レールモントフ 『レールモントフ選集』 光和堂、1976年。
- ナターリヤ・ソコローワ 『旅に出る時ほほえみを』 〈サンリオSF文庫〉、1978年。
- ニコライ・マトヴェーエフ 『科学のプリンセス―学問と愛の旅 ソフィヤ・コヴァレーフスカヤ伝』 水曜社、1982年。
- 『ジュニア版 世界の詩 ロシア・ソビエト』 さ・え・ら書房、1972年。
- 『現代ロシア詩集』 土曜美術社、1992年。
参考文献
- 草鹿外吉年譜(思潮社刊『草鹿外吉全詩集』収録)