胃炎
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胃炎(いえん、英: gastritis)とは、胃に起きる炎症のことであり、大きく分けると、急性胃炎と慢性胃炎の2つがある。
急性胃炎
急性胃炎は胃粘膜の急性炎症で、臨床的には腹痛、嘔吐、消化管出血などの突発症状より発症する。アルコール、薬物(NSAIDs、抗生物質等)、ピロリ菌などの感染、ストレスなどが原因となる。24時間以上続くケースが多い。
慢性胃炎
慢性胃炎は、胃粘膜の慢性炎症と固有胃腺の萎縮、腺の過形成あるいは腸上皮化生を主要所見とする。固有胃腺の萎縮は幽門前庭部から胃体部へと加齢とともに拡大していく。近年、ヘリコバクター・ピロリ感染が慢性胃炎の一つの原因として注目されている。
治療
日常生活においては消化の良いものを取り、過食をさける。
対症療法として、胃酸過多に対して、アルギン酸ナトリウム(英: Sodium alginate)、炭酸水素ナトリウム(英: Sodium Hydrogen Carbonate)、炭酸カルシウム(英: calcium carbonate)などが制酸剤として使用されている。
急性胃炎の場合、効果が強いH2ブロッカー(英: Histamine H2-receptor antagonist)の投与が選択され、場合によっては、最も効果が強いプロトンポンプ阻害薬(英: Proton-pump inhibitor: PPI)を使用あるいは併用する。消化管運動賦活薬なども併用される。
原因がはっきりしている場合を除いては、ストレスによって発症する例が大部分を占めるため、薬物療法に加えて根治を目的とした精神科的治療を平行して行う場合もある。治療は長期化する場合が多い。