確率

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確率(かくりつ、: probability)とは、ある現象が起こる度合い、ある試行が行われたあと、ある事象が現れる割合のことをいう。偶然性を含まないひとつに定まった数値であり、発生の度合いを示す指標として使われる。

概要

数学においては、主にある事象の確率から他の事象の確率を求める方法を記述することと、統計的な確率の正当化が中心となる。

Probability なる単語に対して「確率」という訳案が出されたのは、1908年(明治41年)だが、この語の他にも「蓋然」「公算」「適遇」「近真」「確からしさ」「多分さ」等の候補が有り、「確率」という訳語が定着したのは、1919年(大正8年)頃である[1]首都大学東京経営科学を専門とする中塚利直教授は、藤澤利喜太郎の訳語であると推定している[2]中国語では「概率」と訳している。

確率と観測

確率は、理論的な事象の発生頻度を与える。たとえば、コインをトスして、手で伏せる。表と裏の確率はそれぞれ50%である。その後、手を除けて観測すると、表か裏かは判明する。これについて、多世界解釈では可能性の数だけ世界が分岐するという解釈がなされる。

量子論と確率

量子論では、確率という概念は決定的に重要となる。古典物理学の世界では、事象は決定的であるが、量子論の世界では、事象は決定的でなく確率的に決まるだけである。

量子論の世界で、事象が確率的に決まる理由はよくわかっていない。事象が確率的に決まることは、実験結果からわかったことである。わかっていることは、確率が確率振幅の自乗に比例することのみであり、それは量子力学の基礎原理のひとつである。別の何かの原理から導くことはできない。

客観確率と主観確率

確率(客観確率)を拡張してできた、主観確率という概念もある。

脚注

  1. ^ 松宮哲夫「確率という用語の由来 : その発案者と定着の過程 : 佐藤良一郎先生の思い出に捧げる」『数学教育研究』第21巻、大阪教育大学数学教室、1992年、103-109頁、ISSN 0288-416X 
  2. ^ aサロン(記者ブログ)_科学面にようこそ_藤沢利喜太郎 生誕150年 [リンク切れ] 中塚は、当時の保険学関係の雑誌に、大学内で「確率」と決定した旨の藤沢からの通知文が載っていたことなどから、「藤沢に端を発した訳語」と考え、自著『応用のための確率論入門』で解説している。

参考文献

関連項目

外部リンク

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