白馬クロスカントリー競技場

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白馬クロスカントリー競技場
所在地 長野県北安曇郡白馬村大字神城3003
座標 北緯36度38分6秒 東経137度51分30秒 / 北緯36.63500度 東経137.85833度 / 36.63500; 137.85833座標: 北緯36度38分6秒 東経137度51分30秒 / 北緯36.63500度 東経137.85833度 / 36.63500; 137.85833
コース数 2[1]
コース全長 13.4 km [1]
コース面積 敷地面積[1] 38.6 ha
公式サイト [1]
地図
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白馬クロスカントリー競技場(はくばクロスカントリーきょうぎじょう)は、長野県北安曇郡白馬村にあるクロスカントリー競技場である。愛称はスノーハープ1998年に開催された長野オリンピックでクロスカントリースキー競技会場として使用された。冬季間はクロスカントリースキースノーシュー、グリーンシーズンにはローラースキーやインラインスケート、ランニング、サッカー、マウンテンバイク等、多目的にスポーツに利用可能。

概要

敷地面積は37.7ヘクタール。コースの距離はAコース・Bコースは4.8キロメートル。Cコースは7.8キロメートル。各コースを組み合わせて5キロメートルから50キロメートルまでのすべての競技が行える。事前の環境影響評価調査の結果、ワシントン条約で保護されている猛禽類オオタカの巣が確認され、当初予定されていた5キロメートルのコースを4本設ける計画から、5キロメートルのコース3本に変更された。その変更により工事による開発面積が最小限に抑えられた他、選手がメイン会場に戻ってくる回数が多くなり、観客にとってはよりエキサイティングなレースが楽しめることになった。現地には天然記念物であるギフチョウが吸う植物も数多くあり、移植などにより保護に努められ、自然環境への配慮が生かされた会場である。当初計画していたバイアスロン会場は、環境保護のため野沢温泉村に会場が変更された[2]

建設

評価の高かったアルベールビルオリンピックのコースを参照に概略設計を行う。1992年8月から村内各地区への説明会開始。1993年5月に環境影響評価の現地調査によりDコース予定地(内山集落正面の迎場山)に絶滅の恐れがある猛禽類のオオタカの営巣が確認されDコースを建設を断念。コース変更を加え、国際スキー連盟の承認を受ける。1993年秋より用地交渉、1994年8月着工可能となり、効率化のため4分割し工区を13区分し発注した。1997年8月末にすべての工事が終了した[3]

コース設計と建設時の自然環境への配慮

動植物等自然形態維持のため、コースは3面緑化とし、造成森林に在来種を植栽した[3]。コンクリート造は控え、木造とした。コース沿いの水路には既製2次製品を使用せず、景観配慮、河川保護を計った。大径木が直径50センチメートル以上の樹木は極力残し、動植物の生息環境を維持した。やむをえずコースにかかってしまう貴重種、注目種の植物は移植を行い、希少動物は保護をした。濁水流出を防止するため仮設沈砂地を造成した。

総工費と自衛隊の協力

工事費の総額が39億3700万円(全体事業費70億5200万円)に収まる。工事の一部を自衛隊に委託することで1億6千万円の事業費の削減ができた[3]

愛称

白馬クロスカントリー競技場には『スノーハープ(雪のたて琴)』という愛称が付与されて、白馬村より1996年11月25日に発表されている。この愛称を決定するに当たり、全国から522点の応募が寄せられ、その当時、白馬村立白馬中学校の在校生全員が候補作品の審査に参加し、2年生による企画部会にて審査最終選考候補を10点に絞り込み、この最終候補作品を白馬中学校全校生徒による投票にかけた結果、『スノーハープ』が最高得票(第1位)となったことによるものであった[4]

なお、名称を考案した公募当選者は「白馬連山を望む会場完成予想図を見て、『何とも優しい感じ。これはハープ(たて琴)だな』と直感した」と、信濃毎日新聞の取材に対して回答している[5]

脚注

参考文献

  • オリンピック・パラリンピック冬季競技大会 白馬会場の記録編纂委員会/編纂 編『第18回オリンピック冬季競技大会 1998 パラリンピック冬季競技大会 -白馬会場の記録- 滑る・翔ぶ・走る 白馬 白い台地からの感動』2000年7月31日。 

外部リンク