田宮榮一
田宮 榮一(たみや えいいち、1932年10月16日 - )は、日本の警察官・コメンテーター。現在、日本テレビ客員解説員。
来歴
日本統治下の台湾生まれ、山形県西村山郡河北町で育つ。山形県立谷地高等学校、中央大学法学部卒業。
1952年、警視庁巡査。成城警察署長、刑事部捜査共助課長、同部鑑識課長、捜査第一課長、新宿警察署長、刑事部刑事総務課長、同部参事官、警視庁警察学校長、警ら部長などを歴任。
退職後はヤマト運輸に入社(天下り)。顧客サービス部付、常務取締役、専務取締役兼経営企画本部長、代表取締役専務、常勤顧問、ヤマトコレクトサービス株式会社会長を歴任し、1999年6月に退任。その後は株式会社警察研修社取締役会長、財団法人犯罪被害者救援基金理事、警察政策学会管理運営部会会員などを務める。また、各メディアにコメンテーターとして出演。
人物
警視庁刑事部捜査第一課長の経験者の中では数少ない生え抜き刑事である。
所轄署刑事課には巡査時代から、刑事部捜査第一課には巡査部長時代からそれぞれ勤務し、殺人事件や火災事件の捜査に当たってきた。
発言
経験を生かしてプロファイリングを求められることが多い。このうちいくつかの例を挙げる。
2008年11月に発生した元厚生事務次官宅連続襲撃事件に関し、「2件の犯行は同一グループによる複数犯か、現場間の距離や犯行時間を考えると、同一人物であることも十分に考えられる」とコメントした[1]。
2009年1月の中央大学教授刺殺事件では、犯人は「内部、もしくは外部の者の犯行」「犯人は男性といわれているが、女性である可能性も否定できない」と予測した[2]。
『週刊朝日』は、これらのコメントで田宮の推測する犯人像は、範囲が広いために誰にでも当てはまって、絞り込みになっていないことを指摘した。これに対して田宮は、犯人像を絞り込むと視聴者が先入観や予断を持ってしまい、その結果として捜査機関へ寄せられる情報が偏ると捜査の妨害になってしまうためとの旨を説明している[2]。
インターネット上の動画サイトに田宮の推測コメントがアップロードされて、「迷推理」として人気を博しており、コラムニストの丸山タケシは視聴者は田宮のコメントのいい加減さに好意的であるとしている[2]。
著書
- 『未解決殺人事件ファイル 捜査ケイゾク中』(廣済堂出版、2001年、監修)
- 『別冊宝島Real 迷宮入り!?未解決殺人事件の真相?真犯人たちは、いまどこにいるのか?』(宝島社、2003年、共著)ISBN 978-4796636711
- 『あの日の台湾』(警察研修社、2007年)
- 『警視庁捜査一課長特捜本部事件簿』(角川書店、2009年)
参考文献
- 「捜査一課秘録」- 三沢明彦著 光文社
出演
テレビ
脚注
外部リンク
- 田宮榮一 - システムブレーンによるプロフィール