狭き門
文学 |
---|
ポータル |
各国の文学 記事総覧 出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
『狭き門』(せまきもん、原題:La Porte étroite、1909年)は、フランスのノーベル文学賞受賞者アンドレ・ジッドによる小説である。
題名の「狭き門」は、新約聖書のマタイ福音書第7章第13節にあらわれる、
- 狭き門より入れ、滅にいたる門は大きく、その路は廣く、之より入る者おほし。
というイエス・キリストの言葉に由来する。本来は、善良で真実の門を通る事の勧めであり、それから外れた邪道に行く事は滅びの道に入る事だと諭している。イタリアのローマにある真実の口や、日本のわらべうたである「通りゃんせ」とも通ずるところがある。
現在では、競争が激しく突破することが非常に困難なもの(所)という意味でよく使われている。
概要
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
物語の語り手であり主人公でもあるジェロームは、2歳年上の従姉であるアリサに恋心を抱く。アリサもまたジェロームを愛しているが、周囲の人々も両者が結ばれることに好意的であるにもかかわらず、結婚をためらう。神の国に憧れを持つ彼女は、最終的に地上での幸福を放棄し、ジェロームとの結婚をあきらめ、ついには命を落とす。
この作品において、アリサの自己犠牲の精神は美しく描かれている。しかしジッドはこの作品を通して、アリサのような自己犠牲に対する批判を行った。
日本語訳
- 『狭き門』(川口篤訳)岩波文庫 ISBN 4-00-325582-8
- 『世界文学全集1』(新庄嘉章訳)河出書房新社 ISBN 4-309-60033-6
- 『狭き門』(山内義雄訳)新潮文庫 ISBN 4-10-204503-1