狭き門

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狭き門』(せまきもん、原題:La Porte étroite1909年)は、フランスノーベル文学賞受賞者アンドレ・ジッドによる小説である。

題名の「狭き門」は、新約聖書マタイ福音書第7章第13節にあらわれる、

狭き門より入れ、滅にいたる門は大きく、その路は廣く、之より入る者おほし。

というイエス・キリストの言葉に由来する。本来は、善良で真実の門を通る事の勧めであり、それから外れた邪道に行く事は滅びの道に入る事だと諭している。イタリアのローマにある真実の口や、日本のわらべうたである「通りゃんせ」とも通ずるところがある。

現在では、競争が激しく突破することが非常に困難なもの(所)という意味でよく使われている。

概要


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


物語の語り手であり主人公でもあるジェロームは、2歳年上の従姉であるアリサに恋心を抱く。アリサもまたジェロームを愛しているが、周囲の人々も両者が結ばれることに好意的であるにもかかわらず、結婚をためらう。神の国に憧れを持つ彼女は、最終的に地上での幸福を放棄し、ジェロームとの結婚をあきらめ、ついには命を落とす。

この作品において、アリサの自己犠牲の精神は美しく描かれている。しかしジッドはこの作品を通して、アリサのような自己犠牲に対する批判を行った。

日本語訳