液胞

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典型的な動物細胞の模式図: (1) 核小体(仁)、(2) 細胞核、(3) リボソーム、(4) 小胞、(5) 粗面小胞体、(6) ゴルジ体、(7) 微小管、(8) 滑面小胞体、(9) ミトコンドリア、(10) 液胞、(11) 細胞質基質、(12) リソソーム、(13) 中心体
ムラサキオモトRhoeo spathacea)の表皮組織。紫色の液胞が細胞の大部分を占める。この色はアントシアニンなどによる。

液胞(えきほう、: vacuole)は、生物細胞中にある構造のひとつである。植物では発達しているが、動物では非常に小さい。主な役割として、浸透圧の調節・不要物の貯蔵や分解などがある。

液胞は、細胞内にある液胞膜と呼ばれる膜につつまれた構造であり、その内容物を細胞液と呼ぶ。若い細胞では小さいが、細胞の成長につれて次第に大きくなる。これは、成長する過程で排出された老廃物をため込むためである。良く育った細胞では、多くの場合、細胞の中央の大きな部分を液胞が占める。植物細胞を見ると、往々にして葉緑体が細胞の表面に張り付いたように並んでいるのは、内部を液胞が占めているためでもある。

蜜柑などの酸味や花の色は、この液胞中にある色素(アントシアンなど)に由来している。