中心小体

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中心小体の三次元構造

中心小体(ちゅうしんしょうたい)は、動物真核細胞のほとんどに存在する細胞小器官であり、中心小体が二つ連なって中心体を構成している。植物やほとんどの菌類の細胞には存在しない。中心子中心粒ともいう。

構造[編集]

トリプレット微小管で構成されている中心小体

一般的に中心小体は、2本の微小管の周りに3連微小管(トリプレット微小管)が9本組み合わさって、環状の構造をとる。ただし例外として、キイロショウジョウバエなどの中心小体は、トリプレット微小管に代わって2連微小管(ダブレット微小管)が9本、線虫精細胞などの中心小体はトリプレット微小管に代わって1本微小管(シングレット微小管)9本で構成されている[1][2]

中心体は、二個一組の中心小体が垂直な位置でL字型に結合し二量体となったものを、中心体マトリックスが取り囲んでいる構造である。

中心小体の機能[編集]

中心小体は、有糸分裂の際に形成される紡錘体を形成するのに関わっている。また細胞質分裂を完了させるために重要な役割を担っていると考えられている[3] 。以前は、動物細胞で紡錘体を形成するためには中心小体が必要であると考えられていたが、レーザー除去によって中心小体を除去した細胞でも細胞周期を進めることができると、実験的に証明された[4] 。また、中心小体を持たない変異体のハエも、鞭毛繊毛を欠く他はほぼ正常に成長することが示されており[5]、鞭毛や繊毛を形成するためには中心小体が必要であるということが示唆されている。ほかに、レーザー除去や遺伝子操作を通して中心小体を欠いた細胞は星状体微小管を欠き、正常な不等分裂が出来ないことも示されている。

中心小体は鞭毛や繊毛の形成を調節しており、中心小体が正常に機能しないと鞭毛や繊毛が正常に形成されず、さまざまな疾病を起こすこともあることが知られている(メッケル症候群など)。

中心小体の複製[編集]

中心小体の複製は、細胞周期のG1期とS期の間に起こる。G1期で2量体となっていた母中心小体が分離し、S期にそれぞれの母中心小体が複製されて、娘中心小体を形成する。その後細胞周期のM期で、それぞれの中心小体の組が各娘細胞に受け継がれる。

関連用語[編集]

脚注[編集]