流れの旅路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
流れの旅路
津村謙シングル
リリース
ジャンル 歌謡曲
時間
レーベル キングレコード
津村謙 シングル 年表
流れの旅路
(1948年)
上海帰りのリル
(1951年)
テンプレートを表示

流れの旅路」(ながれのたびじ)は1948年(昭和23年)7月に発売された津村謙(つむら けん、1923年(大正15年)12月12日-1961年(昭和36年)11月28日)の最初のヒットシングルである[1]

作詞・作曲[編集]

作詞者
吉川静夫(よしかわ しずお、1907年(明治40年)8月28日-1999年(平成11年)4月10日
主な作詞作品:「青春のパラダイス」「落葉しぐれ」「女のためいき」「長崎ブルース」「池袋の夜
作曲者
上原げんと(うえはら げんと、1914年(大正3年)12月28日-1965年(昭和40年)8月13日
主な作曲作品:「国境の春」「上海の花売娘」「東京の花売娘」「私は街の子」「港町十三番地」「東京のバスガール

解説[編集]

戦地から復員し歌謡界に復帰したものの、鳴かず飛ばずだった津村謙にとって、昭和23年は画期的な年となった。昭和22年、師と仰ぐ江口夜詩ポリドールからキングレコード移籍して来て、江口作曲の「緑の牧場」が当時無名の津村謙に提供されることになったが、この「緑の牧場」はNHKラジオ歌謡のために制作された曲であったため、放送では当時既にスターだった近江俊郎が歌い、レコードは津村謙となった。しかし、この経緯で津村謙という特異な名前(津村浩三+上原謙)が知られるようになり、キングレコードは次の企画に、『花売り娘シリーズ』などの上原げんとを作曲に、作詞歴は長いものの「青春のパラダイス」でやっと無名を脱した吉川静夫を作詞に起用し、「流れの旅路」をリリースしたところこれがヒットしたのである。この曲のヒットにより津村謙と吉川静夫は、歌謡界において確乎たる地歩を占めることとなった。のち「流れの旅路」のイメージを汲むものとして、「流れの船唄」「流れのジプシー」「赤いマフラー」などが作られている。また同23年、津村謙は、映画『遊侠の群れ』に「流れの旅路」のイメージの旅芸人役として特別出演している。

脚注[編集]

  1. ^ 流れの旅路 2007年4月2日 - 二木紘三のうた物語