文法範疇

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文法範疇(ぶんぽうはんちゅう)あるいは文法カテゴリーとは、を形成する原理の分類であり[1]、同じ文法範疇からはただ一つが選択される[2]。例えば時制は文法範疇であり、日本語の場合、定動詞は必ず過去か非過去のどちらかであり、両方であることはない。

文法範疇はしばしば一致を起こす。

種類

代表的な文法範疇には以下のものがある。

同じ文法範疇からはただ一つが選ばれるが、異なる文法範疇は一般に独立である。例えば日本語の動詞の文法範疇のうち、極性と時制だけを取り上げると、それぞれ肯定と否定、非過去と過去の 2 種類ずつあるので、全部で 4 種類になる。

話す
  極性
肯定 否定
時制 非過去 はなす はなさない
過去 はなした はなさなかった


文法範疇が語形に影響しない体系もある。たとえばロジバンでは上記の 4 窓において極性と時制を指定する語がモジュール式に追加され、中核の語そのものは変化しない。

tavla
  極性
肯定 否定
時制 非過去 tavla na tavla
過去 pu tavla pu na tavla


日本語、朝鮮語ジャワ語タイ語クメール語などでは、敬語が体系化し、文法範疇となっている。

参考文献

  1. ^ 亀井孝; 河野六郎; 千野栄一, eds. (1995), “文法範疇”, 言語学大辞典, 6, 東京: 三省堂, pp. 1199-1200, ISBN 978-4385152189 
  2. ^ Loos, Eugene E.; Anderson, Susan; Day, Dwight H., Jr. et al., eds. (2004), What is a grammatical category?, SIL International, http://www.sil.org/linguistics/GlossaryOflinguisticTerms/WhatIsAGrammaticalCategory.htm 2008年5月15日閲覧。