工廠

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Luckas-bot (会話 | 投稿記録) による 2012年2月5日 (日) 17:44個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (r2.7.1) (ロボットによる 追加: lt:Arsenalas)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

工廠(こうしょう)は軍隊直属の軍需工場で、武器・弾薬をはじめとする軍需品を開発・製造・修理・貯蔵・支給するための施設。造兵廠とも呼ばれる。大日本帝国陸海軍はそれぞれ直轄の軍需工場を持っていた。立地条件としては、他国からの攻撃をできるだけ避けられる安全な場所で、輸送の便のよいところが望ましい。

太平洋戦争末期、工廠は米軍の空襲目標の一つとして攻撃を受けた。当時、成人男性の多くは戦地に送られ、工廠には学生たちが学徒動員され働いており、彼らも空襲の犠牲者となった。

自衛隊は工廠と呼べるものを持たず、兵器の開発・製造を民間企業に委託している。

陸軍の工廠

再編統合を繰り返したため、それらの名称はさまざまに変わったが、主なものをここに挙げる。

陸軍造兵廠

戦前
戦中

など

海軍の工廠

海軍工廠

戦前
  • 呉海軍工廠(広島県:開廠1903年11月)
  • 横須賀海軍工廠(神奈川県:開廠1903年11月)
  • 佐世保海軍工廠(長崎県:開廠1903年11月)
  • 舞鶴海軍工廠(京都府:開廠1903年11月→復帰1936年7月)
  • 広海軍工廠(広島県:開廠1923年4月)
  • 豊川海軍工廠(愛知県:開廠1939年12月)
  • 高座海軍工廠(神奈川県:開廠1944年4月)
  • 光海軍工廠(山口県:開廠1940年10月)
  • 多賀城海軍工廠(宮城県:開廠1943年11月)
  • 鈴鹿海軍工廠(三重県:開廠1943年6月)
  • 沼津海軍工廠(静岡県:開廠1943年6月)
  • 川棚海軍工廠(長崎県:開廠1943年5月)
  • 相模海軍工廠(神奈川県:開廠1943年5月)
    • 大神海軍工廠(大分県:計画)
    • 仮称S廠(山口県:計画) など
戦中

内陸に位置する工廠へは鉄道の専用線が引かれた。今も各地の道路やトンネルにその跡が残る。


関連図書

  • 『陸軍工廠の研究』佐藤 昌一郎 八朔社 ISBN 4938571765(1999/07)
  • 『横須賀海軍工廠史 (1)』 明治百年史叢書 (329) 横須賀海軍工廠 原書房  ISBN 4562013788 (1983/01)

他国の相当する施設

アメリカ合衆国
イギリス
  • イングランドアーセナルFCなど、工廠の労働者で結成されたチームを起源とするサッカークラブの多くが「工廠」を意味する"Arsenal"をチーム名としている。