山上八郎

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山上 八郎(やまがみ はちろう、1902年明治35年)2月5日 - 1980年昭和55年)4月15日)は、日本歴史学者軍事学者。特に日本の甲冑についての研究で名を知られる。

年表

業績

山上が帝国学士院より受賞した研究『日本甲冑の新研究』は、上下巻を合わせて2500ページに迫る膨大なもので、その中で紹介されている日本全国の甲冑資料も、非常に豊富である。現代の甲冑研究にも強い影響を与え続けている大著である。

人物

山上に師事して甲冑の製作、復元修理を行っていた甲冑師・明珍宗恭の証言によると、癖の強い性格の持ち主で、研究者仲間やコレクターとの関係はあまりよくなかったようである。旅先や取材先でも奇行やいたずらに及ぶことがたびたびあったという。

著書

  • 『日本甲冑の新研究』(上・下)歴史図書社、1928年、訂正版が1942年に飯倉書店より刊行
  • 『日本の甲冑 創元選書22』 創元社、1939年
  • “JAPAN'S ANCIENT ARMOUR”(英文)Board of Tourist Industry, Japanese Government Railways(鉄道省国際観光局)、1940年
  • 『日本精神と甲冑』 文明社、1941年
  • 『兜の研究 大東名著選14・23』(上・下)大東出版社、1941 - 42年
  • 『日本甲冑考 巻1』 三友社、1942年
  • 『戦争と日本民族』 文明社、1942年
  • 『甲冑 アルス文化叢書26』 アルス、1942年
  • 『北条時宗 偉人叢書18』 三教書院、1942年
  • 『日本甲冑100選』 秋田書店、1974年
  • 『鎧と兜 カラーブックス344』 保育社、1975年

参考文献

  • 石田謙司 『甲冑師・明珍宗恭と語る: 黒澤明が愛した最後の職人』 小学館スクウェア、2007年
  • 早稲田大学會津八一記念博物館編 『サムライの美学 - 甲冑師明珍宗恭とそのコレクション -』、2009年
  • 石田謙司 『山上八郎著帝国学士院賞受賞『日本甲冑の新研究』の研究』 歴研、2009年