天童如浄
天童如浄(てんどうにょじょう、1163年(隆興元年) - 1228年(紹定元年))は、中国・宋の曹洞宗の禅僧である。天童山景徳寺(浙江省寧波地区)の第31世住職を務めた。『如浄禅師語録』が伝えられる[1]。日本曹洞宗の開祖道元が師事したことで知られる。
人物略歴
洞山良价の流れを汲む雪竇智鑑の法を継ぎ、当時中国の禅宗で主流を占めた臨済宗大慧派とは対照的に、名利を超越した禅僧だったといわれる。曹洞禅は黙照禅ともいい、公案中心の臨済禅に対し、ひたすら禅に打ち込むことによって内面の自在な境地を体得しようというものであった[2][注釈 1]。
如浄は、無際了派の没後の1224年に天童山景徳寺の住職となった。渡宋した道元は1225年から帰国する1227年まで如浄の元で学んでおり、如浄は1225年の夏安居の期間に大悟した道元に印可を授けている。道元は如浄の教えにしたがい、権勢より離れ、世俗化した当時の仏教については根本からこれを批判し、仏陀本来の精神に立ち帰ることを唱えた[3]。こうして、如浄の教えは、道元による日本曹洞宗の開宗にあたってその基礎の形成に大きな役割をになった。
脚注
注釈
出典
- ^ 禅籍データベース:禅籍の部:語録:如浄禅師語録(IRIZ)
- ^ 村上(1981)pp.95-98]]
- ^ 網野(1997)pp.137-140]]
参考文献
- 村上重良『日本の宗教』岩波書店<岩波ジュニア新書>、1981年3月。ISBN 4005000274
- 網野善彦『日本社会の歴史 (中)』岩波書店<岩波新書>、1997年7月。ISBN 4-00-430501-2
関連書籍
- 蔭木英雄『凡俗による如浄禅師語録全評釈』大法輪閣、2009年 ISBN 9784804612911
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