厳格な変奏曲
クラシック音楽 |
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作曲家 |
ア-カ-サ-タ-ナ ハ-マ-ヤ-ラ-ワ |
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厳格な変奏曲(げんかくなへんそうきょく、フランス語: Variations sérieuses)ニ短調作品54は、フェリックス・メンデルスゾーンが1841年に作曲したピアノ独奏曲。ロマン派に属しながら古典的な形式美に寄り添った作曲者らしく、変奏曲作品としてはベートーヴェンやモーツァルトの影響が強い。非常に難易度が高い。
構成
主題の提示と17の変奏とコーダからなる。演奏時間は約12分。
主題はニ短調、4分の2拍子。A-G-F-Eの下降音形が3度の和声を伴う。謹厳な作曲者らしく二部形式の短い曲。
第17変奏まであり、途中第14変奏が同主調に変わるほかはすべて原調のまま。おおむね3連符・シンコペーションを変奏の素材としている。最終の変奏はPrestoの劇的なコーダ。
ロマン派の変奏曲作品の有名な例であり、若手奏者が手がける他、教育用の作品としても取り上げられる。演奏に必要な技術は左手10度が出現するなど、無言歌程度のものだが、作曲者自身のピアノ語法を会得する上では重要作品とされる。
- 主題
- Andante sosutenuto 複雑な構成で、厳粛なメロディーが奏でられる。
- 第1変奏
- Andante sosutenuto 主題に16部音符の修飾がされている。
- 第2変奏
- Un poco piu animato 主題に16部音符の6連符の修飾がされている。
- 第3変奏
- Piu animato この変奏から主題が完全に変奏される。スタッカートが多用されており、力強いメロディーとなっている。
- 第4変奏
- Piu animato 16部音符に装飾音がつけられている。変奏の後半は主題とかなり違うメロディーになっている。
- 第5変奏
- Agitato 右手と左手が交互に音を出す。
- 第6変奏
- Agitato 行進曲のような雰囲気。変奏の最後には第7変奏のメロディーが少し入る。
- 第7変奏
- Agitato 32分音符と16部音符が連鎖する。
- 第8変奏
- Allegro Vivace 16部音符の三連符がメロディーを奏でる。
- 第9変奏
- Allegro Vivace 第8変奏の左手部分が16部音符の三連符になっているが、若干違う部分もある。
- 第10変奏
- Moderato フーガ風の変奏。
- 第11変奏
- Moderato 主題に8部音符が修飾されている。
- 第12変奏
- Tempo di Tema 32分音符2つが交互に鳴る構造。非常に速度が速く、変奏の中でも難しい部類に入る。
- 第13変奏
- Tempo di Tema 32分音符の軽いメロディーに悲しげなメロディーが修飾される。
- 第14変奏
- Adagio ここで曲はニ長調に変わり、明るい雰囲気になる。変奏の最初と最後にはフェルマータがつけられている。
- 第15変奏
- Poco a poco piu agitato ニ短調に戻る。左手と右手が交互に音を出す。
- 第16変奏
- Allegro Vivace 16部音符の3連符で構成されている。
- 第17変奏
- Allegro Vivace 第16変奏の左手と右手を逆にしたような構造。全変奏中最も難易度が高い。主題の変奏が終わると、カデンツァのようなメロディーが入る。最後は、左手がイ音とそれより1オクターブ上のイ音を32分音符でつなぎながら、右手が主題を演奏し、フェルマータつきでこの変奏が終わる。
- コーダ
- Presto 左手と右手が交互に音を出すような構造。Prestoなのにも関わらず16部音符が使われているため、非常に速度が速い。主題の変奏が終わると一旦ニ長調になるが、すぐにニ短調に戻り16部音符の24連符でクライマックスを迎える。その後は、テンポが落として静かに曲を閉じる。