南京!南京!

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南京!南京!
タイトル表記
繁体字 南京!南京!
簡体字 南京!南京!
拼音 nánjīng nánjīng
(ナンジン ナンジン)
英題 City of Life and Death
各種情報
監督 陸川
出演者 劉燁
高圓圓
范偉
中泉英雄
秦嵐
江一燕
姚笛
木幡竜
宮本裕子
撮影 曹郁
配給 中華人民共和国の旗 中国電影集団公司
公開 中華人民共和国の旗 2009年4月22日
製作国 中国日本
製作費 8千万元(約11億5千万円)
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南京!南京!』(なんきん!なんきん!)(英題 City of Life and Death)は、陸川監督によって製作された中国映画日中戦争南京戦とその後に起こったとされる南京事件を題材にした作品。モノクロで制作されており、南京戦の一連の様子が一日本兵の視点から描かれている[1]

概要

4年以上の歳月をかけて脚本を練り、製作がおこなわれた。陸川監督は脚本を書くために膨大な数の日本兵の日記を読み、友人が日本で収集した2000冊以上のモノクロ写真集を参考にしたという[2]。そうした史実資料から構想のヒントを得ているものの、陸川監督は「これは記録映画ではない。戦争での人々の感情を描いた」と述べている。慰安婦のシーンも大きな割合を占めており、監督はこれらのエピソードは大量の歴史的資料の裏づけがあって設定されたと述べている[3]

出演

反響

2009年4月25日より中国にて、2010年4月28日より欧州にてロードショーが開始される[4]。戦争の狂気と悲惨さを製作側は意図したため、中国国内では映画中に登場する日本兵の姿に激しい賛否両論を呼んだ。杭州で催された試写会では、日本人俳優に対し、「日本帝国主義打倒!」や「バカ!」といったののしり声が客席の一部から飛ばされる場面があったが、「彼らは尊敬すべき人たちだ!」という声がはるかに多くの観客から上がり、会場は拍手でいっぱいになり、日本人俳優もこれに深い感動をおぼえたという。さらに出演した日本人俳優に対して、「(帰国後の日本からの弾圧を避けるために)今後保護するために中国で暮らしてはどうか」との申し出もあった。人民網日本語版は「全ての中国人は、南京大虐殺から70数年が経った今こそ、民族史上に受けた苦難をしっかりと心に刻まなければならない」と評論した[5]

本作は日本では公開されていないが、陸川監督は日本国内での上映を強く希望しており、2009年9月21日、スペインで開催された第57回サンセバスチャン国際映画祭における公式会見の席上で、配給会社が決まり日本公開されることが監督によって明らかにされた。だが、劇中で使用している楽曲の著作権問題で配給会社との交渉は決裂し、2011年8月21日に、史実を守る映画祭により一日限りの上映が行われた[6]

受賞

  • 第57回サンセバスチャン国際映画祭(2009年):コンペティション部門 ゴールデン・シェル賞(最優秀作品賞)・審査員賞(最優秀監督賞)・カトリック映画賞(シグニス賞)
  • 第46回金馬奨(2009年): 最優秀撮影賞(曹郁)

脚注

外部リンク