動物福祉

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動物福祉(どうぶつふくし)は、身体的かつ精神的な面での動物の幸福のことを言います。それは、動物行動学心理学寿命繁殖などを含む指標によってはかられます。

定義

動物倫理の点で、動物福祉という語は場合によっては動物福祉主義という意味を含みます。
Saunders Comprehensive Veterinary Dictionaryでは動物福祉を次のように定義しています。「飼育環境、食餌、日常的なケア、病気の予防や治療、苦痛から解放される保証、不必要な不快感や痛みから動物を保護し、人間による虐待や動物を利己的に利用することの回避」[1]

動物福祉主義

動物福祉主義は単に"福祉主義"や"動物福祉"として知られています。[2][3]位置づけとしては人間以外の動物を人間にとって道徳的に好ましいものであることとしています。

概要

家畜屠殺動物実験動物園での飼育など、人間の利益のために動物本来の特性や行動、寿命などを大きく規制していることは多い。こうした利用を認めつつも、飼育やと殺などの過程で動物の感じる苦痛の除去などに極力配慮しようとする考え。

実例

動物園水族館などの公の飼育施設では、動物福祉の考え方を取り入れて飼育や展示方法を見直す動きが活発化している。
家畜の屠殺においては、極力苦しませない方法が要求され、実行されており、捕鯨においてもその見地から絶命させるまでの時間が短い電気銛が復活した。

動物福祉法(Animal Welfare Act)

動物福祉を促進するために必要な包括的な措置を定めた法律アメリカ合衆国1966年)やイギリス2002年)などで法律として存在する。このほか、狭義の意味での動物福祉を求める法律を運用している国も多数存在する。日本では、動物虐待を禁じる動物愛護法などが該当する。

関連項目

参照

  1. ^ Animal. medical-dictionary.thefreedictionary.com. 2010年11月28日閲覧
  2. ^ Garner, Robert. Animal Ethics. Polity Press, 2005, pp. 15-16.
  3. ^ Bekoff, Marc (2009年). “Animal Emotions, Animal Sentience, Animal Welfare, and Animal Rights”. 2012年5月26日閲覧。

外部リンク