交響曲第1番 (安部幸明)

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安部幸明交響曲第1番(こうこうきょくだいいちばん)は1957年に完成された交響曲。演奏時間は約20分。

作曲の経緯

1953年から1954年にかけて大部分が作曲され、1957年になって仕上げられた[1]。初演後、第9回毎日音楽賞を受賞している。

初演

1957年5月9日日比谷公会堂に於いて斎藤秀雄指揮東京交響楽団によって初演された。

編成

ティンパニトライアングル大太鼓小太鼓シンバルを含む三管編成

構成

3楽章から成る。

第1楽章 Allegro con brio

ソナタ形式金管ハ音をベースにしたリズムの上から弦楽が第1主題を奏でた後、第2主題がグリッサンドを交えたヴァイオリンヴィオラに現れる。展開部では第1主題を用いたフガートが奏される。再現部は第1主題が楽器を入れ替えて繰り返され、その後金管が第2主題を反復してクライマックスを形成する。

第2楽章 Adagietto

序奏の後、チェロで哀愁を帯びた主題が奏され、ヴァイオリンがこれを引き継ぐ。次いで木管楽器により変形された主題が奏され高揚する。最後は序奏が再び奏されて締め括る。作曲者はこの楽章を「少年時代の追憶」と呼んでいたという。

第3楽章 Vivace assai

ソナタ形式クラリネットが活発な第1主題を提示した後、ホルンに豪快な第2主題が奏される[2]。第1楽章と同じくフガートを用いた展開部の後、再現部を経て、コーダでは第1楽章の主題が登場し、全体の統一を図っている。

脚注

  1. ^ CD解説による。一方、「名曲事典」では1952年から1953年にかけて作曲、1957年に手を加えたとある。
  2. ^ 作曲者は「蒸気機関車のオスティナート・リズム」と呼んだという。

参考文献