亜硝酸塩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。RedBot (会話 | 投稿記録) による 2012年4月29日 (日) 19:12個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (r2.7.2) (ロボットによる 変更: ro:Azotit)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

亜硝酸イオンの構造式
亜硝酸イオンの空間充填モデル
亜硝酸イオンの共鳴構造

亜硝酸塩(あしょうさんえん、Nitrite)は、亜硝酸イオン NO2- をもつである。英語の nitrite は、亜硝酸塩と亜硝酸エステルの両方を指す。

合成

アルカリ金属およびアルカリ土類金属の亜硝酸塩は、一酸化窒素二酸化窒素の混合物に対応する金属の水酸化物を反応させることによって合成することができる。また、対応する硝酸塩の熱分解でも合成できる。この他の亜硝酸塩は、対応する硝酸塩の還元によって合成できる。

生体作用

酸素条件下では、亜硝酸塩は血管拡張作用を持つ一酸化窒素を遊離する。亜硝酸塩の一酸化窒素への変換のメカニズムは、キサンチンオキシドレダクターゼミトコンドリア、そして一酸化窒素シンターゼ(NOS)による酵素的還元によって表現される。

多くのバクテリアは亜硝酸塩を一酸化窒素またはアンモニアに還元することができる。

毒性について

亜硝酸塩の原料は硝酸塩だが、硝酸塩はもともと野菜に含まれる物であり、調理により亜硝酸塩へと変化するため、摂取を避けることはできない。

その亜硝酸塩である亜硝酸ナトリウムに関して、過去に毒性の問題があるとされていたが、亜硝酸塩とタンパク質に含まれるアミン類が反応した時にニトロソアミン体となり、発ガン性が高いと指摘されている物質へと変化することがわかっており、現在亜硝酸塩そのものが毒性があるというわけではないとされている。

ただ、アミン類も食品にも存在するものであり、同時摂取は注意を喚起されている。

ただし、食品添加物として含まれている亜硝酸塩の含有量については、自然界のものより低いとされている。

亜硝酸塩の例

関連項目

外部リンク