事実

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事実(じじつ、ラテン語: factumフランス語: fait: fact)とは、

  • ことの真実。真実のことがら。本当にあったことがら[1]
  • (哲学用語)もともとによってなされたことを意味し、時間と空間の中に見出される実在的なできごと存在のこと[1]

概説

もともとは、神がしたこと、という意味である。まずラテン語のfacere(あるいはfacio)「する」「行う」という意味の動詞 があり[2]、その過去分詞形factumが「(神によって)行われた」と形容詞的に用いられ、それが名詞化し「(神によって)行われたこと」を意味するようになったものである。フランス語のfaitも同様で、faire(する、行う)という動詞があり、その過去分詞形のfaitが名詞化したものである。英語のfactも15世紀にラテン語のfactumを語源として使われるようになったものである[2]。「実在的なもの」とされるのであるため、幻想虚構可能性などと対立する[1][3]

既成事実
すでに起こってしまって誰もが認めないといけない事実。英語ではフランス語の借用語として Fait accompli という。
ポスト真実(post-truth)
真実は二の次で、感情任せの世論が通ること。

脚注

  1. ^ a b c 広辞苑 第六版【事実】
  2. ^ a b Oxford English Dictionary
  3. ^ ちなみに古代ギリシアのアリストテレスが用いた概念では「デュナミス可能態)」対「エンテレケイア (現実態)」という対比がある

関連書

  • 本多勝一『事実とは何か』未来社1971。
  • 蓑田速夫『裁判と事実認定―事実とは何か』近代文芸社 1996

関連項目