中国における検閲
中国における検閲(ちゅうごくにおけるけんえつ)では、中華人民共和国における検閲について記す。中華民国まで(1949年以前)の各時代の検閲に関しては、「禁書#中国」の方に詳述する。
インターネット上での検閲については、別項の中国のネット検閲を参照。
特徴
出版物の統制を管轄するのは、国務院直属、国家新聞出版広電総局である。この部局が総元締めとなって、各省・自治区、直轄市の新聞出版広電総局に方針を通達、発禁リストを作成して公安などの関係機関と連携して取り締まりを執行する体制となっている。
1989年の第二次天安門事件当時の「販売禁止図書刊行物目録」「販売停止封印図書目録」(発禁リスト)や「発禁押収刊行物目録」(押収リスト)に記載された主な出版物は、以下の通りである(書名は邦題による)。
- 『国籍なき情愛:性開放の西側での中国美男子の遭遇』
- 蘇暁康『廬山会議:中国の運命を定めた日』
- 厳家其『文化大革命十年史』
- 『手相と健康』
- 劉賓雁『嘘をつけない中国人の物語』
- 蘇暁康『河觴』
- 『金瓶梅物語』
- 『趙紫陽伝』
- 金観涛『新啓蒙』
- 西村寿行『荒暴』『侮辱された結果』『浴女』『深夜の狂態』『悪魔の足音』(中国語訳本からの再日本語訳)
- 『星象・性格・運命』
この当時、発禁の対象となった出版物は、以下のように分類される。
映画やテレビなどの映像メディアでも共産党の歴史観に合わない内容や、海外に配信されることで外交に悪影響を及ぼすと判断された作品(抗日神劇)は内容の変更や放送中止となる。
参考文献
- 松尾康憲「現代の禁書」(『中国の禁書』訳者後書きにかえて 1994年) ISBN 4-10-600466-6